押さえておきたい生前贈与の特例 住宅、結婚、子育て、生保

NEWSポストセブン / 2020年9月27日 16時5分

生前贈与の特例を使うなら注意が必要

 2015年の税制改正で相続税の課税対象となる被相続人が倍増。相続税はもはや、お金持ちのだけのものではなくなりつつある。誰もが“相続税対策”を気にしたほうがいい時代が到来しているのだ。

 相続税対策として効果的なのは、生前贈与だ。子や孫の学費など1500万円までの生前贈与は非課税になる制度(教育資金の一括贈与)があるなど、節税メリットが大きい。さらに、その他の特例も押さえておきたい。夢相続代表で相続実務士の曽根惠子氏が解説する。

「20歳以上の子供や孫に最大1500万円の住宅購入資金を非課税で贈与できる『住宅取得等資金の贈与』は、これまでも幅広く活用されており、親子ともにメリットが大きい。また、20~50歳未満の子供や孫に結婚や子育て費用として最大1000万円まで非課税で贈与できる『結婚・子育て資金の贈与』も使い勝手がよい制度です」

 長年、連れ添った夫婦なら検討したいのが「おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)」だ。

「婚姻期間が20年以上ある配偶者に自宅又は今後住む自宅の購入資金を贈与すると、合計2110万円まで非課税となる制度です。生前にこの額を減らしておけば、死後に相続税がかからない程度の財産を持つ人にはメリットになります」(前出・曽根氏)

 一方で余計な費用が増えるリスクがある。

「贈与税はかからなくても、自宅の名義替えの費用や、固定資産税評価額の3%の不動産取得税がかかります。この制度を使わなくても、妻が夫の自宅を相続する場合は1億6000万円の配偶者控除や、小規模宅地等の特例を使った方が節税効果は大きくなります。

 なので、おしどり贈与は節税効果よりも、先妻の子に家を渡したくない後妻の不安を取り除くため生前に贈与しておくといった、人間関係上のメリットが優先されるケースが目立ちます」(前出・曽根氏)

 より簡単で効果があるのが、生命保険の利用だ。元国税調査官で税理士の松嶋洋氏がアドバイスする。

「生命保険は相続人1人あたり500万円まで非課税で、妻と子供2人なら1500万円まで課税なしで受け取れます。生前に妻や子供を受取人にして終身の生命保険をかけておけば、節税効果は大きい」

 また、墓石や仏壇など非課税になるものも、節税対策になるので生前に準備しておきたい。

「ただし、亡くなってから相続人が墓地を購入しても非課税にならず、生前に購入する必要があります。また、金のおりんなど豪華な品だと、非課税財産にならず、課税されることがあるので注意しましょう」(前出・曽根氏)

 贈与の特例にもメリット・デメリットはある。元気なうちに節税対策のルールを知り、計画することが相続税を抑えることにつながる。

※週刊ポスト2020年10月2日号

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