井上公造氏が筆頭格 追及しない芸能レポーターが増えるワケ

NEWSポストセブン / 2020年9月30日 16時5分

芸能事務所の意向を重視しているようにも思える井上公造レポーター(時事通信フォト)

 報道番組からスポーツ解説、ワイドショーまで、さまざまな情報番組に登場するコメンテーター。しかし、彼らの口から発せられるのは、切れ味鋭い辛口コメントではなく、政府や権力者に寄り添った「応援コメント」ばかり。芸能ニュースでは、その傾向がより顕著である。

 テレビ局が独自に芸能スキャンダルを取材することは減り、週刊誌やスポーツ紙の報道を紹介しては、大手芸能事務所に優しい芸能レポーターがフォローして、事務所の意向を代弁するスタイルが定番となった。その筆頭格が、芸能レポーターの井上公造氏(63)だ。

 2016年にSMAPの解散危機が報じられた際は、「僕らは去年の夏からこの話は聞いていたので、驚いたというより表面化したことに驚いた」と語り、スクープを掴んでいても報じないスタンスを披露していた。

 タレントの情報を入手した際の対処法についても井上氏は、〈勝手にどこかで情報を流したりせず、必ず当人か事務所に「テレビで話したいんだけど」と仁義を切ります。すると、相手も「まずは直接話すべき相手がいるから、いいタイミングがくるまで待ってほしい」と、条件付きで情報解禁の許可を出してくれる。この取引が、信頼を得るためには重要なんです〉(『PRESIDENT』2017年7月31日号)としている。

 渦中の芸能人と直接連絡をとり、食事する仲であることをアピールしながら、攻めた取材をしていないことを番組MCからつっこまれる。そんな井上氏のスタイルが、いまやテレビで活躍する芸能コメンテーターの基本かもしれない。

 今年8月、ジャニーズ事務所の山下智久(35)と亀梨和也(34)が未成年と飲酒して処分されると、芸能マスコミが事務所が処分を発表するまで後追い報道しなかったことなどが話題になった。『ワイドナショー』(フジ系)で、その理由について事務所から止められていたのかと問われた芸能レポーターで“ジャニーズ番”として知られる駒井千佳子氏(55)はしどろもどろになり、「テレビ局のほうが忖度していると思います」と責任転嫁する形で否定して、ネット上で叩かれた。

 かつてスキャンダルが起きると、芸能レポーターが突撃し、囲み取材では容赦なく核心を突いた質問を投げかける──そんな映像がテレビで流れていた。今はその真逆で、芸能事務所に寄り添うコメンテーターが主流だ。キー局の情報番組ディレクターが語る。

「今はスキャンダルよりも映画やCDの告知、イベントの情報などを扱うのがメインになりました。そうなると情報を出す芸能事務所の力が大きくなり、“事務所行政”のほうが局の大きな仕事になっています。その一方で、良くも悪くも反骨心のある芸能コメンテーターは壊滅状態。緊張関係が失われた中では、芸能事務所に寄り添いながら語るレポーターに頼らざるを得ないのです」

※週刊ポスト2020年10月9日号

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