日本人初の「元米上院予算委員会補佐官」が占う米大統領選

NEWSポストセブン / 2020年10月4日 7時5分

早稲田大学教授の中林美恵子氏

 アメリカ大統領選挙が11月に迫り、世界中から注目を集めている。新型コロナウイルスの感染拡大する前までは、これまでの傾向から現職が圧倒的に有利で、トランプ大統領の2期目は確実視されていた。しかし、新型コロナウイルスの初動に失敗し、世界一の感染者数と死亡者数(20万人超)を出した上に、経済も急落。在任4年間の富は吹き飛ぶどころか、新型コロナによる失業率は高止まりし、さらに白人警官による黒人男性の暴行死に抗議するデモに対して「軍出動」発言をしたことで一時支持率が大きく下落した。選挙戦は、対立候補のバイデン氏と競り合う展開となっているが、トランプ続投でもバイデン政権誕生でも「アメリカの分断は今後も深刻化する」「日米関係で日本は難しい立場に置かれる」と話すのが、日本人で史上唯一、約10年にわたり、アメリカ連邦議会・上院予算委員会補佐官(国家公務員)を務めた中林美恵子氏(現・早稲田大学教授)だ。『沈みゆくアメリカ覇権 ~止まらぬ格差拡大と分断がもたらす政治』(小学館新書)を上梓した中林氏に、大統領選以後のアメリカの国内情勢、外交、そして日米関係を聞いた。

?* * *
──現在の支持率を見るとバイデン氏50%・トランプ大統領46%(CNN)、両者とも48%(NBC)などと互角の数字が出ている。どちらが当選してもおかしくない状況だ。

中林:投票日である11月3日に、当選者が決まらないかもしれません。両者の支持率が伯仲していることもありますが、鍵を握っているのが、多くの有権者が「郵便投票」をする見込みであることです。ワシントンDCと9つの州では全有権者に投票用紙が郵送されており、ほかの州でも希望者や障がいを持つ人などに郵便投票が認められています。現在のコロナ禍の中では、投票所に足を運ぶのを避け郵便投票を選択する人が増えるのではと予想されています。

 ただ、この郵便投票には集計に時間がかかるという問題があります。今年6月に行われたニューヨーク州の下院議員補選では、投票日に40ポイント差で共和党候補が当選したものの、その3週間後に郵便投票の結果が加わると5ポイント差まで縮まったということが起きました。大統領選挙でも、投票日はトランプ大統領が勝っていたのに、何週間か後に郵便投票も集計されるとバイデン氏が逆転する、といったことが起こり得ます。しかも、郵便投票をする比率は民主党支持層に多いのです。だから、そういった可能性がないとは言い切れません。この場合、トランプ大統領は郵便投票の不正を訴える可能性もあり、事態が泥沼化するかもしれません。できるならば、圧倒的大差で決着してほしいところです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング