香港から密航の民主活動家が拘束 中国本土の裁判で重罪も

NEWSポストセブン / 2020年10月4日 7時5分

香港の民主化活動家には厳しい状況が続く…

 香港から台湾に密航しようとして8月下旬に南シナ海上で中国海警局に拘束された香港の民主活動家ら12人が、9月30日に不法越境などの容疑で中国広東省深セン市の警察当局に正式に逮捕されていたことが分かった。今後、中国本土で裁判にかけられることになるが、香港の民主化活動家が中国の法律を犯したとして、中国内で裁かれるのはこれが初めて。

 中国外務省スポークスマンは、彼ら12人について「香港と中国を分離しようとする分離・独立主義者」と断定。裁判では単なる不法越境容疑だけでなく、政府転覆罪を含む国家安全法容疑で裁かれる可能性もあり、懲役20年程度の重罪が科されることも考えられると、香港メディアが報じた。

 12人は香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕・保釈されていた民主活動家の李宇軒氏や、昨年から続く反政府デモで、放火や暴動、爆弾製造、警察への攻撃、武器の不法所持などの容疑をかけられている若者らだ。彼らは香港の新界地区の漁村から漁船で台湾に逃亡しようとして、香港島の南東70kmの海上で、中国海警のパトロール船に発見され、身柄を拘束された。

 香港ではこの1年間で約200人の民主化運動家が、香港の官憲の手を逃れるため、台湾に逃亡している。

 今回の正式逮捕について香港の民主化団体は、香港政府が12人を保護し、香港で法律の裁きを受けるべきだと主張。しかし、香港特別行政区政府トップの林鄭月娥行政長官は「香港で裁きを受ける前に、中国大陸で裁判を受ける必要がある」とのコメントを発表している。

 12人は拘束後、家族らが雇った弁護士とも接見できない状況が続いている。香港の民主化指導者らからは、逮捕された12人が取り調べで拷問などによって自白を強要される可能性があるとの懸念の声も出ている。

 中国では不法越境罪での最高刑は1年間の懲役だが、集団で越境を計画したことが裁判で証明された場合、最高7年間の懲役刑が適用される可能性もある。中国側は12人が共謀して台湾に密航しようとしたことを立証するとみられる。

 さらに、中国の裁判所が、12人が香港で行った暴力行為なども認めることになれば、分離主義的行動などを含む政府転覆罪が適用されることも考えられるという。

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