スプリンターズS 馬券圏内に飛び込んでくる人気薄の傾向は

NEWSポストセブン / 2020年10月3日 16時5分

短距離王を決める一戦

 いよいよ秋のGI戦線が開幕する。スタートが肝心なスプリンターズS、競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 この時期に行なわれるようになった2000年以降の20回で1番人気馬は8勝2着4回3着1回、2番人気馬は1着こそ2回だけだが2着7回3着4回と3着以内に入った回数は同じ。3番人気馬も3勝2着4回3着1回で、1~3番人気がすべて馬券圏外に沈んだことは1回もない。1~3番人気の3頭で決まったことが3回、3番人気以内の2頭が馬券に絡んだことが8回。

 こう聞くと極めて堅いレースに思えるが、3連複が始まってからの18回で払戻金が1000円以下だったのはたった1回。3連単が始まってからの16回で、1万円以下だったのは3回しかない。

 つまり3連複3連単ならば人気薄が1頭は絡んでくるということだ。

 人気どころではグランアレグリア。桜花賞を勝ち、高松宮記念で猛烈な追い込みを見せて2着、ヴィクトリアマイルは熱発もあって回避したが、安田記念に照準を合わせてアーモンドアイにも勝った。持ち時計がないのがウィークポイントとされているが、1200mを走ったのは重馬場の高松宮記念1回だけ。1400m阪神カップを難なく勝っているように距離短縮は当初の目論見通り。昨年も3歳でこのレースに出走する予定で調整していたぐらいだ。

 ただし周知のような追い込み脚質。右回りで直線の短い中山では届かないことがあるかもしれない。

 相手筆頭のモズスーパーフレアは2番枠で中山5戦5連対。逃げ切りも期待できるが、これだけのメンバーが揃っているだけに、追いつかれた時は掲示板さえ危うくなる。

 ダイアトニックは前走重馬場で大敗したが、それ以外は崩れていないし、不利がなければ高松宮記念は勝っていたかもしれないのだ。

 以上3頭を1着にした3連単フォーメーションがメインだ。2着3着には人気薄を配しておきたい。

 過去20年で6番人気以下ながら、3着以内に入ったのは18頭。そのうち10頭はマイル以下の重賞を勝っており、4頭は2着がある。しかし人気にならなかったのは前走の完敗、あるいは近走の不振から。前走GⅡ、GⅢで掲示板にすら載らなかったのに、GⅠで馬券対象になったのが8頭もいる。

 2009年の勝ち馬ローレルゲレイロは前2走、安田記念とセントウルSが二桁着順だったせいか6番人気だった。しかしその前は高松宮記念を勝っている。

 2015年の2着馬サクラゴスペルが11番人気だったのは、前走安田記念が17着で、しかもそこから直行だったからだろう。調教や陣営の意気込みも今ひとつだったのかもしれない。しかし、安田記念の前はGⅡ京王杯SCを勝っていた。

 ミスターメロディは前走セントウルSで2番人気に推されながら3着、その前の安田記念では11着と大敗、さらに1番人気だったJBCスプリントで5着に敗れているが、昨年の高松宮記念覇者だ。北九州記念では好騎乗でレッドアンシェルを勝利に導いた福永騎手が、こちらを選んだのはなぜなのか気になる。

 アウィルアウェイはCBC賞でラブカンプーの、北九州記念でレッドアンシェルの後塵を拝しているが、まだ観客がいた2月のシルクロードSを勝っている。兄がインディチャンプ、叔父がリアルインパクト、ネオリアリズムとGI馬が顔を並べているほか、やはり伯父にこのレース3着だったアイルラヴァゲインがいる。こちらは川田騎手がダノンスマッシュに騎乗するため。松山騎手に乗り替わった。

 近年のGⅠレースと言えばノーザンファームの寡占ぶりが話題になるが、このレースに限っては、過去20年で勝ったのが2008年のスリープレスナイトのみ、2着もミッキーアイルのみで、3着も2頭だけ。それでも今回はあえてグランアレグリアとアウィルアウェイ2頭を推した。かつてはサクラバクシンオーという名スプリンターを送り出した牧場なのだ。ならば、ついでに母父バクシンオーのビアンフェも入れておこうか。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング