伝説のマトリ捜査官が語る「大麻の恐ろしい現実」

NEWSポストセブン / 2020年10月12日 7時5分

大麻取締法違反容疑で逮捕された俳優の伊勢谷友介容疑者(時事通信フォト)

 ピエール瀧、沢尻エリカ、そして伊勢谷友介と、著名人の薬物逮捕劇が続くが、昨今は「たかが薬で」と、逮捕者を擁護する声が多い。とりわけ伊勢谷の逮捕時は、「大麻くらいでなぜこんなに叩かれるのか」という声がネット上に溢れた。近年は大麻解禁運動も注目されているが、そうした風潮に対し、「危険だ!」と語気を強める人がいる。厚労省麻薬取締官、通称“マトリ”として38年間任務にあたった瀬戸晴海氏だ。2014年から関東信越厚生局麻薬取締部部長を務めた瀬戸氏が「大麻の真実」を語った。

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 近年、大麻取締法違反での検挙数が増加しています。警察庁の発表によれば、今年上半期(1~6月)の大麻の密売、所持の摘発件数は、前年同期比で183人多い2261人。過去最多の数字です。これは警察だけの数字で、麻薬取締部を含めるとさらに多いでしょう。

 要因のひとつは室内での栽培事案が爆発的に増えていること。大麻を海外から密輸する必要がなくなってきている。そしてもうひとつがSNS経由の密売です。「手押し」「野菜」などの隠語が飛び交い、価格も下がっている。5000円程度で1グラムが買えます(3~4回分の吸引に相当)。YouTubeには大麻の栽培法等に関する解説動画が平然とアップされており、若者を中心に大麻への抵抗感がどんどん薄れています。

 背景にあるのが、このところよく耳にする「大麻=安全」という言説です。医療用で使われている、タバコより安全、後遺症もなく無害……といったことを主張する人も多いですが、膨大な数の大麻乱用者をこの目で見てきた立場として、はっきりと言っておきます。絶対に手を出すべきではありません。

 まず、大麻を長期間常用すると、「無動機症候群」といって、物事に対する興味や関心が薄れ、思考力、注意力、集中力が低下し、無気力などの「うつ状態」に陥るケースが多い。捜査現場で、こうしたうつ状態に苦しむ若者の姿を何度見たか分かりません。大麻は「うつ病の予防にいい」と主張する人もいますが、現実にはうつ病を招く薬物なのです。

 また、大麻の有害性に関する最新の知見では、大阪大学大学院の研究グループが、大麻の有効成分である「カンナビノイド」 が大脳皮質の神経回路の破綻をきたす事実を発見している。これは世界で始めて大麻の摂取が脳に悪影響を与えることの科学的根拠を明らかにしたもので「脳の発達に障害を与えるため、特に若い世代に影響が大きいと」と研究者はコメントしています。

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