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米倉涼子主演『ドクターX』にみるドラマヒット法則を識者解説

NEWSポストセブン / 2012年12月16日 7時0分

 米倉涼子(37才)主演でヒットした連続ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)。米倉が、組織に属さないフリーの天才外科医・大門未知子を好演し、「私、失敗しないので」などセリフも話題を集めた。13日放送の最終回は平均視聴率24.4%を記録。全8話の平均視聴率でも19.1%と今年の民放でNo.1ドラマとなったが、ヒットしたのには、ワケがあった。コラムニストのペリー荻野さんが、ヒットの法則を解説する。

 * * *
 このドラマには、今後のドラマ業界にとってヒントになるようないくつものヒットの法則があったと思います。

 米倉が悪女役で主演したテレビ朝日のドラマといえば『黒革の手帖』『けものみち』『わるいやつら』がありますが、今作も設定は違うけれども、米倉らしい男まさりで図太い女を演じたという点では同じ。奇をてらいすぎず“こんな米倉を見たい”という、固定客の期待を裏切らなかったことが、まずあげられると思います。

 名ゼリフがありますよね。「私、失敗しないので」「致しません」という。他の女優が言うと“何言ってるんだ”ってなってしまうけれど、米倉はこれまでの悪女役の実績があるからこんなセリフもピタリとはまる。“よくぞ言ってくれた”みたいな爽快感もあります。

 フリーランスは、組織に対して媚びなくてもいい立場ですが、そうは言っても大概の人は無茶なことはできないじゃないですか。でも、どこかで“一発言ってやりたい”みたいなことをみんな思っている。そんな願望も叶えてくれているんですよね。

 世の中が窮屈になってくると、フリーで生きている人が注目を集める傾向にある。それは、ドラマでも同じことが言えると思います。

 高度経済成長のころは、誰もが組織のためにと一生懸命働いていましたが、それもそろそろしんどいという声が出てきたときに、『木枯らし紋次郎』(フジテレビ系・1972年)という時代劇が出てきた。腕一本で生きる一匹狼の紋次郎(中村敦夫)が悪い奴らをやっつけていくストーリーに多くの人が興奮し、大ヒットしました。

 少し前では、篠原涼子主演『ハケンの品格』(日本テレビ系・2005年)が、組織に束縛されないスーパー派遣社員を主人公にして、高視聴率を記録しましたが、このときも今も、大企業に勤めていても安泰ではなくなり、企業でもリストラがあり学生の就活も厳しい状況が続き、誰もが閉塞感を抱いている。そんななかで、米倉演じる大門未知子のように自分のスキルだけで生きている姿は、格好よくもうらやましくも見える。そうした時代背景をうまくとらえて、作品に落とし込んだこともヒットの理由のひとつでしょう。

 そしてもうひとつ、今回のドラマには“家政婦のミタ方式”が使われていました。毎回決まって言うセリフを盛り込んだ点もそうですが、最後まで大門未知子の正体を明らかにせず視聴者の関心をひっぱったところは、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)で三田の正体が終盤にかけて徐々に明らかになっていく手法とまったく同じです。

 最近はツイッターやフェイスブックなどで誰もが意見を言えるようになりましたから、こういったドラマの設定は、以前にも増して盛り上がりやすい。実際、今回のドラマでもツイッター上でさまざまな声が飛び交っていました。これからのドラマは、これまで以上にツイッターやSNSを意識することも重要だと思います。

 極端な話ですが、制作側がツイッターでどんな意見が出ているのかをチェックし、ストーリーや結末を変えることだってできる。もちろん、最後まで正体がわからないという手法は小説や漫画の原作がないオリジナル作品だからこそできたわけで、そういう意味でも練りに練られた脚本の勝利であることは言うまでもありません。



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