世界を席巻するポン・ジュノ監督の最高作は何か【ミニシアター押しかけトーク隊第3回】

NEWSポストセブン / 2020年11月3日 7時5分

米アカデミー賞では作品賞含む4冠に輝いたポン・ジュノ監督(EPA/時事)

 コロナ禍で苦戦する全国の映画館を応援しようと、4人の映画人がオンライン・トークショーを行っている。『ミニシアター押しかけトーク隊「勝手にしゃべりやがれ」』と題したイベントでは、賛同した劇場で上映された作品について、荒井晴彦(脚本家、映画監督)、森達也(映画監督、作家)、白石和彌(映画監督)、井上淳一(脚本家、映画監督)の4氏がオンラインで縦横無尽に語る。その模様は、上映直後の映画館の観客が観覧できるほか、YouTubeでも公開されているが、ここではそれを活字化してお届けします。第二弾の作品は、『吠える犬は噛まない』ほか、ポン・ジュノ監督(『パラサイト 半地下の家族』でパルムドール、米アカデミー賞4冠)の作品群。前編、後編の2回に分けて掲載します(文中一部敬称略)。

定型的な物語をものすごく拒否する

井上:今回のトークは急に決まったので、白石和彌監督はスケジュールが合わず、この三人でやります。森さんはポン・ジュノの長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』(2000)を今回、初めてご覧になったそうですが、これまでのポン・ジュノの作品は気にされていたんですか。

森:ええ、『殺人の追憶』(2003)は見てないんですけど、『グエムル-漢江の怪物-』(2006)と『母なる証明』(2009)は見てました。もちろん『パラサイト 半地下の家族』(2019)も。実は、昨日の夜、あわてて『スノーピアサー』(2013)を見ました。

井上:荒井さんは、ポン・ジュノの作品は『ほえる犬は噛まない』から順序立ててご覧になっていると思うんですけど、ネットフリックスで配信されている『オクジャ』(2017)は見ていますか?

荒井:それは新しいやつ? 見てない。

井上:ちなみにぼくは、東京国際映画祭の「アジアの風」部門で『ほえる犬は噛まない』が初上映された時に、なんの予備知識もなく見て、なんという傑作が現れたんだろうとびっくりして以来、『オクジャ』以外は全部見ています。森さんは『映画芸術』に『パラサイト』のことを「何かが足りない」的なニュアンスで書かれていましたけど、いかがでしたか。ぼくは『パラサイト』に足りないものが全部、この『ほえる犬は噛まない』にあるんじゃないかと思ったんですが。

森:初々しいですよね。映画青年がつくった映画だなっていうのが第一印象ですけど、ポン・ジュノに限って言えば、彼の中での最高作とは思わなかったですね。

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