大前研一氏が提言「国策として真剣に料理に取り組むべき」

NEWSポストセブン / 2020年11月30日 7時5分

 もう一つのカギが、旅行関連で若者の雇用を創出することだ。現在の旅行会社の主力商品はパッケージ旅行だが、今後求められるのは「3密」を避けて安心・安全かつ充実した“テーラーメイドの旅”だと思う。したがって、その旅をサポートするガイドや運転手として若者を活用するのだ。

 一例を挙げれば、私は秋田・角館、兵庫・姫路、大分・由布院など、観光人力車がある所では必ず利用する。料金はそれなりに高額だが、その土地のことについてはタクシーの運転手よりも人力車の車夫のほうが詳しいし、顧客の要望に応じたルート選定など、細やかな対応をしてくれるから満足度は非常に高い。

 人力車以外にも、観光の質を上げるサービスや企業を支援して意欲がある若者の採用を増やしていけば、彼らが日本を知る良い機会になるし、内外の観光客に接することで経験値を上げることもできるだろう。

 私自身、学生時代に通訳案内業(外国人観光客のガイド)を6年間やったが、その経験が人生の中では最大の財産になっている。

 要は、テーラーメイドで日本の食や景色を楽しめる旅を創っていく──それが今後のこの国の繁栄につながると思うのだ。キャンペーン期間が終わったら需要が萎んでしまうことが明らかな「Go To」で税金(=将来世代からの借金)を食いつぶすのではなく、若者たちに希望と雇用をもたらす政策を考えるべきである。

【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊は小学館新書『新・仕事力 「テレワーク時代」に差がつく働き方』。ほかに『日本の論点』シリーズ等、著書多数。

※週刊ポスト2020年12月11日号

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