コロナ無関係休場の鶴竜に元横審委員長「辞めてもらうしかない」
NEWSポストセブン / 2021年1月17日 16時5分
1月10日に初日を迎えた大相撲初場所は、十両以上の16人を含む65人の力士が休場となった。
場所直前に横綱・白鵬の新型コロナ感染が判明すると、協会は全協会員へのPCR検査を実施。九重部屋、友綱部屋の力士らが陽性となり、それ以前に感染が判明していた部屋を含め、全力士665人の約1割にあたる力士が休場に追い込まれたのだ。
「出場力士が少ないから取組開始は通常より1時間以上遅く、十両の土俵入りは東西に9人と10人でスカスカ。呼び出しが土俵の上を掃き清める回数ばかりが多くなっている」(協会関係者)
両国国技館の電光掲示板には、〈休場〉の欄に16人の四股名が並んだが、「このなかに、ひとりだけ“ドサクサ休場”がいる」と厳しい表情で話すのは、若手親方のひとりだ。
「全協会員へのPCR検査で大騒ぎになっていた1月8日に、4場所連続休場(初日からの休場は3場所連続)を明らかにした横綱・鶴竜です。慢性の腰痛を抱えていて、昨年は15日間皆勤したのは3月の春場所だけ。11月場所後には横綱審議委員会(横審)から『引退勧告』の次に重い『注意』の決議を受けていた。
師匠の陸奥親方(元大関・霧島)も、当初は初場所で進退を懸けることになるという認識を見せていたが、フタを開けたら横審の決議をスルーするかたちでの休場です。協会の諮問機関である横審のメンツも丸潰れでしょう」
「辞めてもらうしかない」
横綱審議委員会の第14代委員長(2015年1月~2017年1月)を務めた守屋秀繁氏(千葉大名誉教授)はこう憤る。
「もう横綱として土俵を務めるのは厳しいのではないか。仮に3月場所に出たとして、3~4日相撲を取って引退宣言せざるを得なくなるでしょう。陸奥親方も、(2019年9月に)亡くなった先代の井筒親方(元関脇・逆鉾)から引き継いだだけで、自らが鶴竜を育てたわけじゃないから、本人が“今場所は(相撲を)取れない”といったら認めるしかないのではないか。親方も大関まで務めたとはいえ、相手は横綱で遠慮があるのだろう。
ただ、横審が『注意』を決議し、“1月場所で結果を出すように”と申し渡したにもかかわらず、鶴竜はそれを先延ばしにしたわけです。本来なら退場ものだ。辞めてもらうしかないと思いますよ。場所後には厳しい決議をするべきだと思います」
成績不振の横綱に対する横審の決議で、「注意」より重いのは「引退勧告」のみだ。過去には暴行事件を起こした朝青龍、日馬富士に対して決議された2例しかない(日馬富士は引退後だったため「引退勧告相当」の決議)。それほどまでに事態を重く見ているということだ。
昨年12月に日本国籍を取得した鶴竜は、引退後に親方として協会に残る道筋が見えている。前出・協会関係者が説明する。
「年寄株は亡くなった師匠の遺族から『井筒』を継承する段取りになっている。先代の元関脇・逆鉾が亡くなったあと、旧・井筒部屋の建物は解体されてしまったが、鶴竜が引退してしばらくしたら陸奥部屋から独立して再興するものとみられている。
部屋の立ち上げには億単位の資金が必要だが、タニマチから祝儀が集められる引退相撲がコロナ禍で開催できない状況だけに、少しでも長く現役に残りたいだろう。横綱は休場しても月給300万円で、1場所延命すれば2か月で600万円の収入になる。それだけ国技の最高位には価値があるということだが、休場が続けば批判を受けるのは当然でしょう」
※週刊ポスト2021年1月29日号
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