除夜の鐘を聞いて一度死ぬ 東大卒僧侶が教える新年の迎え方

NEWSポストセブン / 2012年12月31日 7時0分

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「除夜の鐘を聞いて大事なのは、捨てること」松本紹圭さんは語る

 除夜の鐘と初詣――変わらぬ日本の正月の風景だが、その深い意味をもう少し知れば、よりよい年越しができるはず。そこで今回、浄土真宗本願寺派僧侶、松本紹圭さん(33)にお話を伺いに行った。

 紹圭さんは、東京大学文学部哲学科を卒業後、仏教界の扉を叩き、インドでMBAを取得。インターネット寺院「彼岸寺」や、お寺カフェ、ライブ等を企画し、“お寺から日本を元気に”をモットーに仏教界に新風を吹き込み続ける異色の僧侶だ。そんな若き改革者が語る“仏教的・年末年始の過ごし方”とは?

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■除夜の鐘を聞いて一度死にましょう
 除夜というのは、面白い漢字を書きますよね。夜を除く。これはつまり、旧年を取り除く夜、という意味です。

 どうしても年末年始になると、新しい年の抱負を考えるなど、心新たにしようと思いがちです。ですが、その前に、一年を総括することが大事。これをしないと、今年こそ英語を勉強するなどと、毎年同じ目標を立ててしまう。良いこともあったでしょうし、後悔するようなこともあったかもしれない。すべてを振り返る。そして重要なのは、「捨てる」ことです。捨てないと、新しいものは入ってこない。良いことも悪いことも含めて、執着しないということです。

 このように、1年の振り返りを意識しながら、除夜の鐘を聞くといいですね。可能であれば、ぜひ、鐘を打ちに近くのお寺に出かけてください。より強烈に、気持ちを切り替えられると思います。

 本当は、大晦日に限らず、毎日、古いものを捨てて新しいものを入れるといいんです。スティーブ・ジョブズは朝、鏡を見て、今日やるべきことを自問自答したといいますが、除夜と元旦を毎日繰り返していたようなものですね。どちらかと言えば、人は成功体験にとらわれがち。過去をしっかり捨てることで、イノベーションが生まれてくる。毎日は無理にせよ、1年に一度は、そういう節目を持ちたいものですね。

 大袈裟に言えば、除夜の鐘を聞いて、一度死ぬんです。ちゃんと死ぬことで、お正月から、新たな自分を生きることができるのです。

■初詣では喜んでお金を捨てましょう
 初詣に行ったら、願いを叶えてもらうためではなく、ぜひ、「喜捨」の気持ちで、お賽銭を入れていただきたい。私がお坊さんだから言うわけでは、もちろんありません(笑い)。

 お賽銭を入れるのは、貴重な“体験”だと思うんですね。いまの社会システムのなかでは、誰しも多かれ少なかれ、貨幣に対する執着を持っています。普段は、お金は等価交換しますよね。対価を得るために支払うのがお金。でも、お賽銭を入れる行為は、そうした娑婆の世界の行動様式に逆行している。こうした体験が持つ意味が大きいのです。

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