専門医が解説 睡眠薬は「生活の質を保つために便利」も依存には注意

NEWSポストセブン / 2021年3月2日 7時5分

市販の薬で不眠が改善しない時は「不眠外来」を利用しよう(イラスト/高梨としみつ)

 仕事や家事など、やるべきことが多くてなかなか睡眠時間を取れないという人も多いだろう。そして、睡眠時間が少ないことを気にするあまり、どんどん不安になってさらに眠れなくなるという人も少なくないはず。そんな不眠に悩む人々の助けとなるのが、「睡眠外来」の専門医だ。通常の内科よりもじっくりと話を聞き、不眠の原因や睡眠を妨げる生活習慣を掘り下げる──。睡眠外来の専門医が推奨する、生活改善法と睡眠薬活用法を解説する。

睡眠薬は生活の質を保つのに便利な道具

 最近、薬局では眠りに誘う市販薬の種類が増え、機能性食品にも眠りをサポートするGABA入り商品などが目につくようになった。

「市販の睡眠改善薬は抗ヒスタミン薬というもので、風邪薬をのむと眠くなることがありますが、その眠くなる作用を利用しています。

 これは一過性の不眠に使用するのに便利で、クリニックに行くほどではないが、ちょっと眠れないときにのむとぐっすり眠れます。ただし、のみ続けると耐性ができてしまい効き目がなくなるので、1箱のんで改善しない場合は、医師に相談してください」

 そう話すのは、スリープ・サポートクリニック理事長の林田健一さん。

 一方で、内科や睡眠専門外来などで処方されるのが、より本格的な不眠治療のための睡眠薬や睡眠導入剤だ。

「日本では現在、【1】50年以上前からあって種類も豊富な『ベンゾジアゼピン系』、【2】体内時計のリズムを整える『メラトニン受容体作動薬』、【3】覚醒を維持する脳内物質の働きを阻害する『オレキシン受容体拮抗薬』の3タイプが使われています。これらには超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型があり、薬により作用時間の長さを示す半減期が異なるため、医師が適切なものを選んで処方しています」(林田さん)

 半減期とは薬の血中濃度が最初の最高濃度から、半分まで下がる時間。この時間が長いほど長時間作用が続く。

 たとえば、よく用いられる『マイスリー』の半減期は、約2時間。服用後30分ほどで血中濃度が最高値に達し、その後、2時間経つと2分の1に、4時間経つと4分の1に、6時間経つと8分の1にと、効き目が弱くなっていく。

「ただし注意したいのは、標準的な半減期は正常な若年成人で測定されている、ということです。たとえば、説明書に半減期が2時間と書いてあっても、高齢になれば代謝が下がるため、薬は2時間よりも長く作用します」(林田さん)

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