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自動運転の進化で「自動車保険」はどう変わるのか 事故激減なら保険料は安くなる?

NEWSポストセブン / 2021年4月2日 7時5分

 自動運転技術の進歩や普及に伴い、従来の補償範囲に対する保険料収入は大きく低下するとみられている。今後、その減少を補うために、損保会社は新たな補償ニーズに対応する商品開発が求められる。新たな保険の分野として、 次の3つが注目されている。

(1)製造物責任保険
 自動運転システムでは、各種センサーや集積回路などが用いられる。ソフトのバグ、メモリーのあふれ、アルゴリズムの欠陥などにより事故が発生すれば、製造者は巨額の賠償責任を問われかねない。

(2)サイバーセキュリティー保険
 自動車がIT関連の機器やソフトを装備するにつれて、サイバーセキュリティーの問題が顕著になる。ハッキングやランサムウェアなどによって、自動運転機能が停止したり、誤動作を起こしたりすれば、自動車事故や運転の非効率につながる恐れがある。

(3)インフラ保険
 自動運転の乗用車を制御する交通インフラやセーフガードなどについて、補償ニーズが高まるものと考えられる。従来は、公共インフラは政府や自治体が自家保険(※注)として対応することが多かったが、今後、再保険等を含めて、民間保険会社にも引き受けの機会が生じる可能性がある。

※あらかじめ一定の金銭を自ら積み立てておいて、事故が起きたときに使う体制のこと。

 このうち、(1)の製造物責任保険が、特に注目されている。従来の自動車事故では、自賠責保険と自動車保険(対人賠償、対物賠償)の損害賠償責任が中心とされてきた。

 自賠責保険は、事故の被害者(運転者は除く)の救済を目的とする賠償責任のための保険で、クルマを持つ人は加入が義務づけられている。一方の自動車保険は、運転者のケガを補償したり物損の賠償責任をしたりする保険で、いくつかの種類があり加入は任意だ。ただ、こうした従来型の保険の役割は低下していくとみられている。

 自動運転システムのレベルが上がり、普及が進むと、運転者の運転タスクは減る。すると、自動運転システムの機器・ソフトの不備が原因の事故が増える。こうなると製造者(自動車メーカー等)の責任が問われることが一般的になる。つまり、自動運転時代には製造物責任保険が中心になるとみられているわけだ。

「レベル4」までは賠償責任はこれまでと同じ

 完全自動運転になるまでの過渡期における損害賠償責任については、国土交通省内の研究会でも議論され、2018年に報告書が公表されている。レベル4までは、自賠責保険や自動車保険は、その内容をもとに補償を行うこととなる。主な論点と、その結論について簡単に見ていこう。

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