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自動運転の進化で「自動車保険」はどう変わるのか 事故激減なら保険料は安くなる?

NEWSポストセブン / 2021年4月2日 7時5分

●自動運転システム利用中、運転者は“運行支配”しているといえるか?

 自動車損害賠償保障法(自賠法)上、運行供用者は「自己のために自動車を運行の用に供する者」とされている。マイカーの運転者や自動車運転事業者などが該当する。最高裁の判例により、運行供用者は自動車を運行支配して、運行利益を得ている者とされている。

 研究会では、自動運転システム利用中「運転者は運行支配しているといえるかどうか?」、つまり、運転者は運行供用者の要件を満たしているかが問題となった。

 結論は、自動運転でもクルマの所有者や自動車運転事業者等に運行支配や運行利益が認められるとして、従来の運行供用者責任を維持することとされた。つまり、自賠責保険や自動車保険(対人賠償)は、自動運転中に生じた対人事故についても、従来通り、損害賠償責任が補償されることとなった。

●ハッキングにより引き起こされた事故では、どのように被害者を救済すべきか?

 クルマの保有者がセキュリティ対策や保守点検義務を果たしていたにもかかわらず、自動運転システムがハッキングされ、事故が起きてしまったとする。この場合、被害者の救済はどのようにすべきだろうか?

 結論は、ハッキングされた自動車は盗難車と同様の考え方で対応可能とされた。つまり、ひき逃げで加害車両が不明な場合などで行われる、政府の保障事業で被害者を救済することとされた。

●自動運転システム利用中の事故では、運転者は運行の注意を怠ったといえないのではないか?

 自動運転システム利用中は、自動車の運行をシステムに委ねているため、運行供用者は運行の注意を怠ったといえないのではないか、という議論だ。注意を怠らなかったことは、自賠法で賠償責任が免責とされるための要件の1つであるため、重要な論点といえる。

 結論は、自動運転中は運転に関する注意義務は軽減される可能性があるが、システムのソフトやデータのアップデートなどの他の注意義務が大きくなる可能性があり、自動運転技術の進展などに応じた注意義務を新たに負うことも考えられるとされた。

●外部データの誤謬や通信遮断による事故は、「構造上の欠陥または機能の障害」といえるか?

 自動運転システム利用中に、地図情報等の外部データが誤っていたり、通信ができなかったりしたために事故が発生したとする。この場合、自動車そのものの欠陥といえるだろうか?

 結論は、外部データの誤謬や通信遮断等の事態が発生したとしても安全に運行できるべきであり、こうした安全性が確保されないシステムは、「構造上の欠陥または機能の障害」があると評価されうるとされた。

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