日本人の胸が小さいのは「体温の拡散」を防ぐための進化の結果

NEWSポストセブン / 2013年1月11日 16時0分

「うちの子が勉強できないのは遺伝かしら」「お母さんに似て太りやすい! 私がやせないのはお母さんのせいよ」などなど、よく聞く“遺伝”という言葉。しかし、遺伝とはいったいどんなことなのだろうか?“50才を超えても30代にしか見えない”ことで知られる医学博士の南雲吉則先生(57才)が、“遺伝”について解説する。

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 遺伝とは、“親から子へ、子から孫へと、形質・性格などの特徴が伝わる現象のこと”をいう。

 遺伝の話になると必ずといっていいほど遺伝子という言葉が出てくるけれど、この遺伝子っていうのは、細胞内の染色体に含まれる情報のこと。

 人の染色体は2本×23組=46本ある。受精卵ができるとき、両親、つまり卵子と精子から半分ずつ受け継ぐんだけど、この染色体の組み合わせはいくつあると思う? なんと70兆通り以上もあるんだ。まさに天文学的数字だよね。

 こんなにたくさんある染色体の組み合わせの違いで、同じ両親から生まれたきょうだいでも、似ていたり似ていなかったりするんだね。

 70兆通りもの組み合わせがある理由のひとつとして考えられるのが、“進化”のため。どういうことかというと、われわれ地球上の生物を取り巻く環境は、常に変化しているよね。

 だからぼくたちも生き残るためには、環境に適した体格や能力に変化していかないといけない。その、環境に適応した変化を“進化”というんだ。遺伝子は、進化するために、常に一定の確率で突然変異を繰り返しているんだよ。

 例えば、日本人に胸の小さい人や胴が長い人、足が短い人が多いのも、進化の結果。日本人の祖先がシベリアの極寒の地に住んでいたから、体温の放散を防ぐために、体の凹凸が少なく進化したということだね。

 遺伝子は環境がどのように変化するか、そしてどんな体の変化が環境に適応するかまで予測することはできないから、できうるかぎりの組み合わせでさまざまな子を生む。“種の多様性”が必要なんだね。

 背の高い子、低い子。太った子、やせた子。足の長い子、短い子──親は、自分とも違う、きょうだい同士でも違う形質の子を産むことによって、どんな状況になっても、いずれかの子供が生きのびられるようにしているんだね。

※女性セブン2013年1月24日号



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