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判決に「よっしゃ!」と叫ぶアポ電強盗犯 分断された社会の裏側

NEWSポストセブン / 2021年4月10日 16時5分

刑務所で地道な労働を学ぶのだが……(イメージ、法務省提供、時事通信フォト)

 法を犯して刑罰を受けた者が入る刑務所とは、刑を執行するという役割以外にも、改善と更生を行う場所でもある。更生の機能を果たしているのか、という問題は以前より指摘されてきたが、少なくともかつては、裁判で刑を言い渡されるときくらい本人は後悔と更生の意思を見せるのが普通だった。ところが、最近では様子が変わってきている。ライターの森鷹久氏が、特殊詐欺やアポ電強盗に手を染める若者たちの変質についてレポートする。

 * * *
 3月9日、ある事件の判決がくだされた。このとき、被告人がとった予想外の態度が新聞各紙などで報じられ、波紋を呼んだ。大手紙の司法記者が説明する。

「検察の求刑は無期懲役でしたが、判決は3人の被告にそれぞれ27~28年の懲役を言い渡すものでした。判決を聞くや否や、被告のうち一人が『よっしゃ!』と声を上げました。ご遺族だっていたかもしれないのに、あまりの不遜な態度に、傍聴人も裁判官も呆れ返っていました」(大手紙司法記者)

 彼らが裁かれたのは2019年2月に発生した、いわゆるアポ電強盗事件の実行犯としてだ。東京都江東区に住む80才の女性宅に強盗目的で押し入り、女性を死亡させたとして強盗致死罪に問われた。事前にターゲットの資産状況などを確認した上で強盗に入る「アポ電強盗」で初めて死者が出た事件として、事件発生当時はメディアも大きく取り上げた。

 検察の求刑通り「無期懲役」の判決が下されるという見方は「強くなかった」(大手紙司法記者)というが、27~28年という長期だが有期刑判決が下ったことに、被告が「よっしゃ!」の声を上げたのかと思うと、やるせなさしか残らない。

「被告らは3人組で犯行に及び、裁判の争点は殺意があったかどうかに絞られていました。検察側は、被害者の首を締め窒息死させ明確な殺意があったと主張、被告側は被害者の手足を縛ったが、口に貼った粘着テープは呼吸できるようずらして貼ったと、殺意を否定しました」(前出の大手紙司法記者)

 筆者はこの被告ら3人を含め、アポ電強盗や特殊詐欺に関わった人々の取材を重ねてきた。大抵の被告は「反省するもの」だと思い込んでいたのだが、この2~3年で明らかに変化したことがあると感じている。それは、犯行側に覚悟も決意もなく「逮捕されても儲けた方が得」と考え、極めて安易に犯行に及ぶ事例が増えていることだ。前述の、判決で求刑より軽くなったことを喜び「よっしゃ!」と叫ぶような人間が、珍しくなくなっているのだ。

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