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再燃したコロナの武漢流出説 解明のカギを握る米英の諜報機関

NEWSポストセブン / 2021年6月23日 16時5分

コロナ武漢流出説、なぜ再燃?(写真/AFP=時事)

 5月下旬、バイデン米大統領が新型コロナの“起源”について噂されてきた「武漢ウイルス研究所流出説」を再調査するよう命じ、6月11日から開催されたG7サミットでも、米国務長官が中国側に情報を開示するよう求めている。

「研究所流出説」と言えば、昨年初め頃、疑惑として取り沙汰されたが、専門家や主要メディアの多くがトランプ前大統領による“反中国の陰謀論”として扱い、検証されてこなかった。

 それが今、なぜ再燃しているのか。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が明かす。

「私は2020年1月の時点で、米情報機関の関係者から、CIAが『武漢ウイルス研究所内からコロナウイルスが漏れ出た可能性がある』、『同研究所で中国人民解放軍との共同プロジェクトが進められていた』との調査結果を得ていたことを聞いていました。CIAの調査は『生物兵器として軍事使用される可能性』も視野に入れていたようです。

 昨春頃には元CIA長官のポンペオ国務長官もこうした分析をもとに中国を追及しましたが、トランプ政権が主張することでかえって“陰謀論”扱いされ、米主要メディアもこぞって否定した。中国側は『米軍が武漢に持ち込んだ』などと反論していた」(同前)

 米大統領選が本格化しパンデミックが深刻化すると、コロナの起源をめぐる議論は下火になった。

「しかしその間もポンペオ長官は再調査を指示していた。今年1月、トランプ氏の退任直前に国務省は『2019年秋には同研究所内で疑わしい患者が出ていた』、『同研究所から漏れた可能性がある』、『同研究所が人民解放軍と共同研究を行なっていた』という報告書を公式に発表しました」(同前)

 研究所流出説の再燃にはこんな調査の“貢献”もあった。

 民間のネット調査団体「DRASTIC(ドラスティック)」の有志は、中国国内の論文データベースなどを徹底的に調べ上げ、新型コロナの近縁種である「SARS関連ウイルス」を同研究所が長年にわたり雲南省の鉱山の坑道から何種類も収集してきたこと、2012年には同坑道でコウモリの糞を除去していた男性3人がSARSのような症状で死亡していたことなどを今年5月までに突き止めた。

 これが米国の著名な科学者にも認められ、「流出説」の再調査を求める声が高まったのだ。

 こうした声を受け、バイデン大統領は90日以内の再調査を命じた。解明のカギを握るのは米英の諜報機関だという。

「中国国内ではすでに武漢研究所流出に関する情報はすべて削除されている。今回の再調査では、たとえばサイバー攻撃やハッキングを得意とする米NSA(国家安全保障局)や英GCHQ(政府通信本部)といったスパイ組織が連携し、ダークウェブ(サイバー攻撃者たちが連絡を取り合うインターネット奥深くにある地下ネットワーク)内に潜入して、『武漢研究所流出説に関する情報の売買』がないかどうか調べています」(同前)

 トランプ氏は流出説再燃に「中国は世界に10兆ドル賠償すべき」とぶち上げたが、説が裏付けられれば実際に国際社会から中国に責任を求める声が高まるだろう。

※週刊ポスト2021年7月2日号

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