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「政府高官」「自民党幹部」…ニュースの“匿名コメント”裏側を読む

NEWSポストセブン / 2021年7月18日 7時5分

 オフレコ取材は発言者の名前を出すことができず、メディアは『政府高官』、『政府関係者』などから聞いた話として報じます。ただしオフレコのなかでも『完オフ』の場合は発言をすぐに報じてはダメで、時間が経ってから検証記事などで匿名の発言として報じることができます。さらに完オフのなかには内容を一切報じることができず、未来永劫内緒にしなければならないものもあります」

 オフレコ取材は原則としてメモや録音が許されず、終了後に記者が集まって互いの記憶を刷り合わせる「メモ合わせ」が行われる。時にはメモ合わせを主導するリーダー格の記者の記憶が間違っていて、発言のニュアンスが変わってしまうこともあるという。

 慣例としてオフレコ取材が続いているのは、政治家と報道陣の双方にメリットがあるからだ。

「政治家からすると、表立っては口にできない本音を言うことができる。『本音を言うから、俺の名前は出すな』ということです。また、『解散が近い』などの発言を記者に報じさせることで党内の引き締めを図ったり、野党を牽制したりする狙いもある。いわゆる観測気球として、永田町の動向を見るためにわざと記者に書かせることがあります。

 一方の記者からすると、発言者が匿名でも記事にできるし、政治家の本音を知ることもできます。暗黙の了解のもと、後々に検証記事を書けるというメリットもあります」

「政治の劇場化」で匿名コメントに需要

 テレビ局の場合、匿名コメントを重宝する別の理由もあるという。

「テレビのニュースで大事なのは絵柄です。昔は誰が喋ったかわからないコメントだと個人の映像が使用できず、映像としてつまらないから匿名のコメントを番組で使うことはほぼありませんでした。ところが1990年代になると報道番組の放送時間が長くなり、ひとつのニュースにかける時間も長くなりました。実際に私の入社時は30分だった夕方のニュースが1時間、1時間30分の番組になり、ひとつの話題にかける時間も1分だったのが2分、面白ければ3分と、どんどん伸びていきました。

 とくに2000年に小泉純一郎氏が首相になると政治が劇場化しました。その際、『ある自民党幹部によると~』『郵政民営化反対議員のひとりはこう言いました~』という関係者コメントをニュースのスパイスとして使うようになった。テレビでは、匿名のコメントがニュースを面白くわかりやすく伝えるエッセンスになったんです」

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