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河野太郎大臣「Twitterブロック騒動」専門家の意見は? 日米で違いも

NEWSポストセブン / 2021年9月10日 7時5分

「法的責任の有無という観点から言うと、おそらく日本では政治家によるTwitterでのブロックが現行法に直接抵触するとは考えにくいのではないでしょうか。ただ、アメリカの訴訟の傾向や学説、判例が、将来日本に影響を及ぼすことはあり得ます。まず学界などで参照されて、その上で国内法にどう関係するか、参考にしたり実際に立法に落とし込んだりする可能性は否定できません。また日本でもマスメディアの退潮が著しいですが、SNSの権威性が高まれば位置づけも変化するかもしれません。

 次に道義的責任の有無ですが、これは立場によって見方が分かれます。一方の立場からすると、政治家は徹底的に説明をするべきで、言葉を尽くして国民と対峙するべきだ、そうであるからこそ寛容に、ブロックなど使わず大物然としてドンと構えているべきだ、ということになるでしょう。それは確かにその通りなのですが、他方では河野大臣が言うように、政治家に限らずSNSで政治に関する発言をすると大量の罵詈雑言や誹謗中傷が寄せられるという現実もあるでしょう。女性議員に対する罵詈雑言や誹謗中傷などが問題になったこともありました。それらを防ぐためにブロックが所与の機能として実装されている以上、なぜ政治家だけ使用してはいけないのかということもいえそうです。

 道義的責任の有無については、どちらの立場にもそれなりの言い分があるので、その中で比較して考えたり、世論がどう受け止めるかが影響するのだと思います。そう考えると、現状はやはり選挙における投票を通して民意を示していくしかない。選挙の時に考慮すべき要素はたくさんありますが、その中の一つの観点としてブロック使用も含むSNSの使い方も踏まえつつ、政治家に相応しい人物を選んでいく必要があるのではないでしょうか」(同前)

 西田准教授によれば、現時点では政治家によるブロック行為は「止むを得ない」とのこと。ただし再度アメリカの判例に立ち戻るなら、「言論の自由の侵害」が問題視されたことはここ日本でも留意しておく必要があるだろう。

 先に記した7日の会見で河野大臣は「ブロックされても、私のツイートを見ることはできる」とも語っていた。確かに、ブロックされたアカウントをログアウトすれば、河野大臣の主要なツイートを閲覧すること自体は可能だ。だがブロックによって、リプライや引用リツイートといった言論を発信する自由は奪われてしまうのである。

 仮に河野大臣が自身に批判的な論調のアカウントだけを選んでブロックし続ければ、結果として、河野大臣のツイートには好意的な意見ばかり集まるようになっていく。単なる罵詈雑言は論外としても、ブロック行為によって批判的な意見が寄せられなくなれば、あたかも「SNS上で河野大臣は人気」であるかのように演出してしまうことも可能なわけだ。

 Twitterにはブロック機能のほかに、特定のアカウントのツイートを自身のタイムラインで非表示にする“ミュート”という機能もある。もし、政治家がTwitterを政治活動の公式な舞台として用いるつもりがあるならば、ブロックではなくミュートを活用すべきではないか。そしてブロックは本当に悪質なアカウントにのみ行使するよう、慎重に判断していく必要があるのではないかと思う。

◆取材・文/細田成嗣(HEW)

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