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岡田准一主演の映画『燃えよ剣』、時代劇研究家が指摘する3つのこだわり

NEWSポストセブン / 2021年10月16日 11時5分

鈴木亮平は近藤勇を演じる

 歴史小説の大家・司馬遼太郎の同名ベストセラー小説を映画化した映画『燃えよ剣』が話題を呼んでいる。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんによれば、多くのこだわりが詰まった作品だという。ペリーさんが見どころを解説する。

 * * *
 15日に公開された映画『燃えよ剣』は、幕末、鮮烈な存在感を示した新選組の “鬼の副長”土方歳三(岡田准一)を軸に、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)ら隊士たち、敵対した男たちと、動乱の時代を描く。

 武州多摩、百姓の子でケンカに明け暮れる“バラガキ”(不良少年)土方と武士の子で天才的な剣の腕を持つ沖田。ふたりは、同郷の近藤勇(鈴木亮平)らとともに京へ上る。京都守護職・会津藩の後ろ盾を得た彼らは、芹沢鴨(伊藤英明)を局長とした「新選組」を結成。厳しい局中法度を定めて隊を統率する土方は、乱暴狼藉を続ける芹沢一派の暗殺を実行する。近藤を中心に結束を固めた新選組は、池田屋騒動でその名をとどろかせるが、世の流れは彼らを追い詰めていく。

 司馬遼太郎のベストセラー原作は、これまでにも何度か映像化されてきた。その中で、新作の大きな特長は、「こだわりが詰まっている」ということだ。

 こだわりその1は、ロケ。二条城、東寺、仁和寺、東本願寺、姫路城など世界遺産や国宝級建造物でのロケとともに、オープンセットには三条通、御池通など125メートルの町並みを丸ごと特設。その中心となる池田屋を完全再現したのは宮大工だった。また、鳥羽伏見、五稜郭での戦には総勢3000人ものエキストラを動員。壮大な激戦が繰り広げられる。

 こだわりその2は、外見。土方歳三にきりりとした剣士というイメージを持っている人は、この映画の序盤「これが土方?」と驚くかもしれない。京で田舎者と侮られまいと胸を張って歩く近藤とは違って、土方の歩き方は、はっきり言ってカッコよくないのである。もともと「石田散薬」という薬を担いで各地を売り歩いていた土方の歩き方は、原作には眼をぎょろぎょろ光らせ、街道を足で噛むようにして歩く「歳の鬼足」、韋駄天張りの足の速さだと記されている。そのウォーキングスタイルが、あるきっかけで変化する。その瞬間に、岡田准一のこだわりを感じる。

もうひとつ、外見でのこだわりは、「黒」。この新選組は、黒一色の隊服を着用。史実によれば、よく知られる浅葱色のダンダラ模様はほとんど着用していなかったという。土方、近藤、沖田、斎藤一(松下洸平)、永倉新八(谷田歩)ら九人の黒隊服幹部が横並びで揃うと、無敵野球チームみたいである。威圧感がすごい。

 こだわりその3は、キャラクター。隊の中には芹沢のほかにも“嫌われキャラ”がいる。新選組総長・山南啓助(安井順平)は、眼鏡をかけて、端から相手をちょっと見下すような目線で話す。おかげで教養人が嫌いな土方からは憎まれ、やがて山南は脱走する。

 また、山崎烝(村本大輔)は、不逞浪士の動きを探ると同時に、新選組隊士の監視もする「監察」。彼のチクリによって隊士仲間が処罰されることもある、嫌われ男だ。町人姿になり、探索する店の女中に見せる愛想笑いと冷徹な監察の顔。村本大輔は、ぶつぶつと独り言を言いながら人を寄せ付けない不気味なキャラクターに。なかなかの存在感だ。

 映画のキャッチフレーズは「時代を追うな。夢を追え。」。それは映画製作そのものにも当てはまる気がする。こだわり抜いて夢を追え。これはそういう映画だ。

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