安くても大人2人がラクに寝られる軽キャンピングカーが人気

NEWSポストセブン / 2013年2月9日 7時0分

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軽でも“重装備”なキャンピングカー(千葉・幕張メッセ)

 作家・村上龍氏の連作中編小説、『55歳からのハローライフ』の中にこんな1篇がある。

 会社の早期退職制度に応募した主人公は、中型のキャンピングカーを購入して妻と日本全国を旅する「サプライズ計画」を持っていた。だが、退職を祝う家族パーティーでそのことを打ち明けると、当の妻から難色を示されてしまう――。

 小説の中では実現しなかった憧れの定年ライフだが、同じような夢を持つシニア世代を中心に、いまキャンピングカーはちょっとしたブームになっている。

 日本RV協会によると、日本国内のキャンピングカーの総保有台数は、緩やかに増え続けて約7万5600台。ユーザーの年齢構成を見てみると、60歳代が34.3%とトップだ。

 既存のトラックやワンボックス車を改造したキャンピングカーは、これまでも専門の製作業者らによって数知れず販売されてきたが、欧米のように文化や趣味として根付くことはなかった。その理由について、自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が語る。

「車内で1週間も寝泊まりできる装備がついたキャンピングカーともなると、車体は大きいし車幅も広い。本格的に車で旅をするのが趣味の人でないと、持て余してしまうんです。そもそも欧米と違って日本は何週間も休む文化はないし、生活大国といえるほど自分の時間を持てる社会ではありません。わずか数日遊ぶために高価なキャンピングカーを買うなんて人は、一握りの富裕層に限られていたわけです」

 しかし、日本人が求めるカーライフの変遷とともに、新たなキャンピングカー需要も芽生えている。

「ホンダが昨年、軽自動車の『N BOX』を発売したとき、車中泊ができることを売りにしていたので驚きました。そんなミニチュアカーで? と思いましたが、実際にシートを倒したら床がフラットになり、大人2人がラクに寝られる。軽だから維持費も安いし、何より普段使いができるクルマが立派なキャンピングカーにも早変わりする。これはいい提案だなと感心しました」(井元氏)

 井元氏は、小回りの利く<安・近・短>用のお手軽キャンピングカーが売れる時代だと分析する。

 2月8日から千葉市・幕張メッセで行われている「ジャパンキャンピングカーショー2013」でも、ダウンサイジングの傾向は明らかだった。

 広大なブースに所せましと並べられた252台のキャンピングカー。車内にベッドやソファー、テーブルのほかキッチン、冷蔵庫、トイレ、シャワー、犬小屋まで設置してある車もあり、その光景はさながら住宅展示場のよう。

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