掛布雅之氏 愛車を野球関連博物館に売り電車で帰宅した過去

NEWSポストセブン / 2013年2月19日 7時0分

 堅く閉ざされた入り口には、1月3日付で「しばらく休館致します」という貼り紙があった。外壁に飾ってあった、名物社長が長嶋茂雄氏ら著名人と写った写真も撤去され、「ミスターの殿堂」は不気味に静まりかえっていた。
 
 福井市内にある「山田コレクション」は、長嶋氏を中心とした野球選手の縁の品々、約5000点を所蔵する博物館である。福井県の不動産王・山田勝三社長(68)が、敷地に建てた時価20億円という豪邸の一部を改造し、2007年4月にオープンした。
 
 巨人軍応援歌の『闘魂こめて』が流れ、背番号3のユニフォームを着たミスターの蝋人形が入館者を迎えるなど、賑やかだった同館。だが、本誌が「閉館の危機にある」との情報を入手して現地を訪れると、冒頭のような様子で、隣接する自宅も事務所も無人。社長の愛車も雪をかぶったままで、携帯も不通になっていた。
 
 後日、社長夫人・美栄さんと連絡が取れた。曰く、社長は重篤な病に倒れ、館の今後については「何も決まっていない」のだという。
 
 同館に飾られていたのは、ミスターが新人王を獲得した時のペナントに始まり、ユニフォームの実物、さらには愛用していた私物の財布、懐中時計、サングラスなど。
 
 一方では、掛布雅之氏や故・小林繁氏など選手たちの“駆け込み質屋”的存在でもあった。
 
「掛布氏は、はるばる愛車を運転してやってきて売りさばき、電車に乗って帰っていった。他には桑田真澄氏の実父が、息子のPL学園時代のグラブを売りに来たこともある。後で桑田氏本人が、展示されているのを見て驚いていた」(ジャーナリスト)
 
 仮に完全に閉館となった場合、これらの貴重な品々はどうなってしまうのか。
 
「グッズは山田社長が全国を回って、“転売しない”条件で個人的に集めたものがほとんど。そのためオークションにかけるのは難しく、他のコレクターに渡ることは考えづらい。しかも玉石混淆。野球体育博物館で厳重に管理されてもおかしくないようなものもあれば、価値があるのか判断がつきかねる物も多い。このままでは大量の不良債権として、貴重な品々まで処分される危険がある」(同前)
 
 貴重な品々の消失と、選手にとっての質屋の閉店。どちらにせよ、球界には大きな痛手となりそうだ。

※週刊ポスト2013年3月1日号

NEWSポストセブン

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