断然綺麗な4Kテレビ「1インチ1万円以下なら普及」と専門家

NEWSポストセブン / 2013年2月27日 7時0分

「脳の活動の9割は目から入ってくる情報の映像処理。そう考えれば、人間が脳の創造的な活動をやめない限り、テレビの高画質化も永久に追い求める。時代遅れとか化石研究とか言うほうが間違っている」

 こう熱弁を振るうのは、アイキューブド研究所社長の近藤哲二郎氏。同社はこのたび、160インチ以上の巨大画面でもプロジェクターを通じて超高精細な映像を映し出す「ISVC」と呼ばれる新技術をお披露目した。

 山や崖の岩肌、川の水面、顔のシワ……、デモンストレーションで公開された映像は、どれも遠近にかかわらずくっきりと鮮明で、画面の大きさや迫力とともに圧倒される。ソニー時代から現行のフルハイビジョンの4倍の解像度を持つ「4Kテレビ」の開発に心血を注いできた近藤氏の“ひとつの理想形”がここに結実した。

「4K映像がキレイに見えるのは60インチが限界で、それ以上になると画面のあちこちに粗が出てしまう」(業界関係者)という技術的なハードルさえ、あっさりとクリアした。

 ところが、市販の4Kテレビは技術的な問題よりも大きな課題を抱えている。現在、東芝、ソニー、シャープから計4モデルの4Kテレビが登場しているが、富裕層にしか手の出ない高価格帯の商品がほとんどだからだ。

 家電ジャーナリストの安蔵靖志氏が危惧する。

「ソニーが2012年11月に発売した84型の『KD―84X9000』は168万円、先日シャープが出した60型『ICC PURIOS』に至っては262万円もして、どちらも受注生産しかしていません。いくらプレミアムモデルといっても、さすがにこの値段では普及は望めません」

 4Kテレビの量産化に積極的な東芝は、「他社よりも安価な価格で市場投入して活性化を図りたい」(幹部)と意気込むだけあり、現行の55型モデルは30万円台で買える。前出の安蔵氏も「1インチ1万円以下でないと普及の起爆剤とはならない」と分析する。

 また、画枠のバリエーションをどこまで広げるかといった問題もある。4Kの持つ画質の繊細さや臨場感は大画面で観るからこそ堪能できる。では、小さな4Kテレビは出ないのだろうか。

「家電見本市などで、シャープは32インチ、パナソニックは20インチの4Kディスプレーを参考出品しているので技術的には可能ですが、コストに見合わないためメーカー側は50インチ以上をひとつの基準にして、4Kにシフトしていきたいはず。

 ただ、フルハイビジョンよりもキレイな画質のiPad3などタブレット端末ですら高画質化が進んでいるので、小さなテレビの粗が気になってしまうという人はどんどん増えていくと思います」(安蔵氏)

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