中国嫁日記作者 抗日ドラマがなくならない理由を冷静に分析

NEWSポストセブン / 2013年3月19日 16時0分

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井上純一氏のサインは手製の月さんハンコとイラスト付き

 大人気ブログ『中国嫁日記』の作者、漫画家でイラストレーターの井上純一氏は、昨年春から経営する玩具会社の製造拠点、中国の広東省東莞市で暮らしている。2月末に刊行し、すでに3刷15万部となった『月とにほんご中国嫁日本語学校日記』(アスキー・メディアワークス)の原稿は、日中を行き来しながら書き上げた。反日暴動に揺れた昨年を振り返りながら、現代中国庶民のリアルな姿を井上氏が語った。

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――広東省の東莞市へ移住されて、もうすぐ1 年ですね。ものすごい勢いで開発が進んでいる地区のようですが、まだ不便なところはあるのでしょうか?

井上:最大の問題はネットがのろいこと。光回線で4 メガですよ! その上に「金盾」(※中国政府によるネット検閲システム。多くのSNS やブログに接続できない)が存在します。最近リニューアルされて、勝手に通信の逆探知をしてルートを自動的に塞ぐシステムがつき、いっそう面倒くさくなりました。

 他はほとんど問題がないですね。住んでいるところの近くにはマックカフェがあるマクドナルド、ケンタッキー、ピザハットに日本食屋もある。日本のお菓子を売っている店もあります。ただ、そこはブルボン製品がなかなか無い。最大の難点です。

――昨年は尖閣諸島の領有を巡って、中国では大規模な反日暴動が起きました。移住されたばかりで驚かれたのではないでしょうか?

井上:いま住んでいる南部の工業地帯の人たちは、騒いでも一円にもならんというのが本音です。火をつけたりして暴れたのは、北に集中しているでしょう。南の連中は、自分の収入に響くと分かっているから暴れない。暴動があった都市部でも、地元の人は暴れてないですよ。未来がないと思っている田舎者が鬱憤晴らしに暴れた。

――中国のなかでも南と北はずいぶん違うんですね。

井上:妻は北の出身なのですが、北の人間は、南のことが嫌いで必ず悪口を言う。「南の人は、泥棒と嘘つきばかりだ」という言い方があるんです。関西人が東京のことを悪く言う拡大版みたいなものです。

 中国の南と北は、本来は言葉も違います。でも、中国政府は言葉で国が分裂すると分かっているので、普通語として北京語をたくさん教えている。おかげで識字率が上がった。文字が読めるのは重要なこと。人間の脳は、計画や仕事の組み立てを言葉じゃなく文字で認識しているから、工員の識字率が高くなったおかげで中国は生産性を上げたんです。

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