GWの余韻を味わう話は「ひどい目に遭ってさ」で始めよと識者

NEWSポストセブン / 2013年5月8日 16時0分

 充実したゴールデンウィークは誰でも自慢したいもの。しかしそこはぐっとこらえるのが大人力。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が、GW後の会話術について指南する。

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 ああ、楽しかったゴールデンウィークも終わってしまいました。充実した日々だったとしても漫然と過ごしたとしても、過ぎてしまえばあっけないものです。ふたたび始まった退屈な日常をたくましく乗り切るために、できるだけ余韻を味わいましょう。

 旅行に行ったりして楽しいゴールデンウィークを過ごした場合は、職場などで話したいのが人情だし、余韻を味わう第一歩です。かといって、いきなり「じつはハワイに行ってきてさ」「家族でバーベキューをやったんだけど、それが楽しくて」などと話し始めたら、なに嬉しそうに話してるんだと嘲笑されかねません。

 自分がホメてほしいときにはまず相手をホメる、自分が話したいことがあるときにはその話題を相手に振るというのが大人の鉄則。まずは「ゴールデンウィークはどうだった?」と話を振りましょう。相手が「そっちはどうだったの?」と聞いてくれたら、そこからが本番。ただ、どんなに楽しかったとしても、まずは「いやあ、ひどい目に遭ってさ」と話し始めるのが大人のマナーであり、長く聞いてもらえるコツです。「渋滞に巻き込まれた」「どこに行っても大混雑だった」といったマイナス面を織り交ぜながら、ちょっと苦々しい表情で楽しかった思い出を語って、心の中でこっそり余韻を味わいましょう。

 とくにどこに行ったわけでも何をしたわけでもなく、漫然と過ごしただけだったとしても、余韻は十分に味わえます。この場合は「ああ、ゴールデンウィークも終わっちゃったね」と切り出すのがベスト。おそらく9割以上の確率で、相手は「どうだった?」と聞いてきます。そう聞かれたら「えーっと、何してたっけなあ……」と言いながらしばらく考え込んで、「……あれ? 結局とくに何にもしてないかも。気が付いたら終わってたよ」と答えましょう。世間の常識に惑わされず、もっとも贅沢で優雅な休みの使い方をしたという満足感や優越感を味わえます。手前味噌にも程がある勝手な解釈ですけど、それもまたゴールデンウィークの楽しい余韻にほかなりません。

 ゴールデンウィークのあいだずっと仕事をしていたとしても、余韻を味わうことはできます。どう過ごしたかの話題になったときに「ずっと仕事だったよ。ま、テレビの渋滞情報を見るたびに溜飲を下げてたけどな」と言えば、みんなが遊んでいたあいだも働いていたことで成長した気になったり、愚かな大衆とは一線を画している選民意識を覚えたりできるはず。それも、ゴールデンウィークがあるからこそ味わえる楽しみです。

 いずれの場合も、会話の締めは「ああ、早く来年のゴールデンウィークが来ないかなあ」で決まり。その前に夏休みもお正月もありますけど、それをすっ飛ばして待ち望むことで、まだ新鮮な余韻がさらにゴールデンに彩られます。

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