嗅覚を刺激し本能を激しく揺さぶるCM 女性作家が是非を論考

NEWSポストセブン / 2013年5月8日 16時0分

 実に印象的。このCMを一回見たら忘れられない、という人も多いようです。

■P&Gエアケアブランド『ファブリーズ』

 松岡修造演じる父と三人の息子の熱血家族が、汗だくになって帰ってくるCM。掃除している母の前で、裸足でべたべた歩きまわる男たち。「くさっ」と眉をひそめる母。並んで靴を嗅ぐシーン。まさしく臭いが漂ってきそうな画面。ご存じの消臭剤CMです。

 気になるのはオンエアの時間帯。実は私自身、昼食時に何度もこのCMに遭遇してしまいました。この匂い疑似体験は、疑似であっても、食事時間にはちょっと耐えられない。まさか、炎上マーケティング? もちろんいろいろな時間にオンエアされているCMなのでしょう。けれど、不幸にも食事時間帯にバッティングとなると、松岡さんの「クサイ」演技も相乗効果で、商品の名前を覚えてしまうほど強烈な、逆なで感。

 たしかに目立つ。ただ、広告とは消費者との信頼と絆を作り上げるツールでもあることを考えあわせると、どうなのでしょう……。

 いずれにしても、「嗅覚」を刺激することは、人の本能を刺激すること。

 匂いの情報は、脳の中でも古い部位へ入ります。理性的な判断を下すその前に、記憶や感情の脳領域を瞬間的に激しく動き回り揺さぶる。強いメッセージになりうる。それだけに、匂いの表現をどう扱うのか、その手法が鋭く問われることにもなるのです。

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