ぽっちゃりファッション市場が急成長 美魔女ブームの反動か

NEWSポストセブン / 2013年5月18日 7時0分

 通常の3倍の広さの試着室、汗をかきやすい体質に配慮した低めの室温、かがまなくてよい高さにのみ商品を陳列――これは、「スマイルランド」の店舗に施された工夫の数々。通販大手のニッセンが手掛けるラージサイズ専門ブランドの実店舗だ。現在、東京・渋谷のパルコのほか、全国に5店舗を展開する。ここ数年、スマイルランドは、対前年比10%以上という売り上げを実現。いま、女性の“ぽっちゃり”市場が、活気づいている。

「これまでは、デザインよりサイズ重視でした。とにかく、入るものを選ぶしかなかった。でも最近は、サイズが豊富になって、デザインで選べるようになってきました。買い物が楽しくなりましたね」

 身長155センチ、体重62キロの、ややぽっちゃり、を自認する30代女性は、こう語る。前出のスマイルランドは、Lから10Lサイズを取りそろえるなど、サイズ展開が幅広い。店員にもぽっちゃり型をそろえ、客の体型に合う服選びを助ける。「体型を隠そうとするのではなく、体型に合ったものを着るほうが、きれいに見えるんです」と、店員は話す。

 今年3月には、国内初となる“ぽっちゃりさん向けおしゃれ応援マガジン”を謳った「la farfa(ラ・ファーファ)」が、ぶんか社より発売された。表紙を飾るのは、ぽっちゃりタレントとして人気の高い渡辺直美。発売から2週間で8万部突破という数字をたたき出した。

 他にも、ユニクロがインターネット限定で販売する特別サイズ(2XL~4 XL/男女向け)は、ネット売り上げの半数を占めるようになったという。百貨店なども、この市場への注力を進めている。伊勢丹新宿本店は、今年3月の全面改装時に、大きなサイズ売り場を一新し、拡大アップにつなげた。ぽっちゃり市場は洋服に限らない。ワコールは4月より、「ぽちゃカワブラ」の通販を始めている。

 とはいえ、ぽっちゃりした女性の数が、急激に増えているというわけではない。

 ここ30年の日本人女性のBMI(体格指数)の推移をみると、全体のトレンドとしては、「やせ」に向かっている。肥満に分類されるBMI25以上の割合は、20~30代ではほとんど変化はなく、40代では減少。一方、やせに分類されるBMI18.5未満の割合は、20~40代で上昇しているのだ。とりわけ40代の上昇率が高く、美魔女ブームなどの影響が垣間見られる(厚生労働省「国民健康・栄養調査」)。つまり、ぽっちゃり市場の拡大は、対象が増えたことによるものではなく、眠っていた潜在需要を掘り起こした面が強いと考えらえる。

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