初父親役の福山雅治 かつて「家族は好きじゃない」と語った

NEWSポストセブン / 2013年5月23日 16時0分

 是枝裕和監督(50才)の最新作、映画『そして父になる』は、6年間育てていた子供が、実は他人の子供であることがわかってしまうという家族の物語だ。今回、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された同作は、最高賞であるパルムドール獲得予想オッズで、「5倍」の1位となっており、1997年にパルムドールを受賞した『うなぎ』以来の快挙へ期待が高まっている。

 この映画で主演を務めているのが、福山雅治(44才)だ。「家族を描いた映画を作ってほしい」。本業をアーティストと自認し、ドラマや映画の出演は自らオファーしたことはないと公言してきた福山。その彼が、初めて自分からオファーを出した作品が今作だ。福山と話し合い、父と子の物語を作ることを決めた是枝監督。福山が与えられたのは、それまで演じたことがない父親役だった。

「経験がないものですから、どうしたらいいか不安でした」

 インタビューで福山はこう振り返っているが、それは単純に、彼にとって父親役が初めての経験だったからではない。演技するにあたって真っ先に思い浮かぶはずの実の父親は、福山にとって遠い存在だったからだ。そして、“家族”に対しても大きなわだかまりを抱いていたからでもある。

 2人兄弟の次男として、長崎市に生まれた福山。父は博打好きでほとんど家にも帰らず、家計を支えたのはパート勤めの母だった。月20万円にも満たない収入。家族旅行も外食も、買い物の記憶もない。あるのは、女手ひとつで懸命に2人の子供を育てる母の姿と、たまに帰ってきては大声でくだを巻く酔っぱらった父の姿だけだった。

 17才の時に、父が他界。葬儀にやってきたのは、父の麻雀仲間ばかりだった。小指のない父親の友人たちが泣きながら棺桶の中に麻雀牌を並べる姿を、複雑な心境で眺めていたという。このことは、福山自身が最近のインタビューで赤裸々に語っている。

 決して父を憎むようなことはなかったというものの、「こういう家族はいいな、という実例はそばにはなかった」と振り返ったこともあった。遺された母を支えるべく、地元の工業高校卒業後は、市内の電機メーカーの営業職に就職。しかし、わずか5か月で上京を決める。

「地元の友人やお母さんには“ミュージシャンになるために上京する”と言っていたようですが、本当はそれよりも家族に縛られて生きていたくないという思いが強かったんです。社会人なのに、帰りが遅かったり、女の子が家に遊びに来るといろいろ理由を聞かれたり怒られたりする。突っぱねたいけど、これまで苦労して自分を育ててくれた母を無下にはできない…。そんな生活のすべてが息苦しかったんでしょうね」(福山家を知る人)

 当時を振り返り、福山は「家族のことは好きじゃなかったですよ」と語ったこともある。

 上京後に俳優としてデビューすると、その後ミュージシャンの夢も叶えることができた。一人前の大人になったと自負するのに、実家の母は電話をしても子供扱いするばかり。郷里へ向かう足は次第に遠のいていった。

 そんな福山の中の家族観は、彼の結婚観へも大きな影を落としていったようだ。あるインタビューで、結婚しない理由を尋ねられると、福山はこう答えている。

「結婚が遅いのは、おそらく自分の中に“家族”というものに対して、いい印象がなかったからでしょうね」。

※女性セブン2013年6月6日号

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