睡眠時無呼吸症候群で要治療の人が3割 3.5兆円の経済損失も

NEWSポストセブン / 2013年5月31日 7時0分

 ジメジメと湿気の多いこの時期。不快感から夜なかなか寝付けずに悩んでいる人も多いのではなかろうか。あまりにも寝不足が続くようなら、睡眠時に頻繁に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の疑いもある。

 SASは睡眠中、無意識のうちに舌の奥などが垂れ下がって気道を塞ぎ、呼吸が止まることによって起きる。10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上、または睡眠1時間あたり5回以上あることが診断基準になる。

 SASを引き起こす原因は何なのか。6月1日に寝具メーカーの丸八真綿とコラボして、新横浜にて睡眠・呼吸器専門クリニック「RESM(リズム)新横浜」を設立する白濱龍太郎院長に聞いた。

「一言で睡眠障害といっても、ベッド・枕など寝る環境の悪さから、日頃の生活習慣やストレスが原因の場合もあります。また、歯の噛み合わせ、顎関節の位置、耳鼻科領域の疾患、脳の呼吸中枢からの命令が消失……など、じつに様々な原因が考えられます」

 やっかいなのは、睡眠中の出来事ゆえ自覚症状のある人が少ないこと。病名は知っていても「医療機関で受診するほどのものではない」と思われがちなのだ。

 だが、慶應義塾大学病院で呼吸器内科の講師を務める福永興壱氏は、SASの危険性を指摘する。

「診断を受けて治療している患者は約20万人なのに対し、実際に診断されていない予備軍は推計200万人いると言われています。SASは様々な病気を併発するリスクがあり、高血圧は健康時の約2倍、脳卒中・脳梗塞は約3倍、うつ病リスクも約1.5倍に高まります。そう考えると、“21世紀の国民病”といっても過言ではないのです」

 慶應大学チームが大手企業に勤務する518名のビジネスパーソンを対象に2年間かけて調査した結果でも、SASの治療が必要だった人が約30%おり、そのうち自覚症状を訴えた人は10%程度しかいなかったという。

 これまで「肥満」にSASが多いと信じ込まれてきたことも、潜在患者を医療機関から遠ざける要因になっていた。

「健康診断で『肥満』と言われるBMI(体格指数)25以上の人にSASが多いのは確かですが、肥満を伴わない小顔や細長い顔、いわゆるイケメンの男性患者も増えています。顎が小さいから気道が塞がりやすいのです。また、最近は男性だけでなく、65歳以上の女性患者も多い。閉経後にホルモンバランスが崩れることと関係しているようです。『私は太っていないから大丈夫』ということは全くありません」(福永氏)

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング