ペットが他人に危害 飼い主が過失傷害罪に問われる場合も

NEWSポストセブン / 2013年6月28日 7時0分

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「隣家の大型犬が庭を荒らし危険を感じる。法的に解決できないか」という質問が寄せられた。

【質問】
 引っ越して間もないのですが、隣家の飼っている大型犬に困っています。その家とは塀で隔てられていますが、犬は飛び越え庭を荒らしていきます。飼い主に犬を鎖でつなぐようにお願いしても聞き入れてもらえません。私には3歳の娘もおり心配です。飼い主に強制力を与えるにはどうすればよいですか。

【回答】
 民法第718条では「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない」と定められています。

 動物の飼い主は、その動物の性質に従って適正に管理する義務があり、この義務を怠り動物が第三者に怪我させたときには、損害賠償義務を負うことになります。繋留しない飼い犬が隣家に入り込んで人間に咬みつけば、飼い主の責任が否定されることはありません。

 しかし、咬まれてからでは遅いので対処が必要です。いくらいっても隣家が犬をつないでくれないときには、役所か警察に相談しましょう。動物愛護管理法第7条では、飼い主は「動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」と定め第9条で迷惑をかけないための具体的な措置を地方公共団体にゆだねます。

 大半の自治体では、条例でペット飼育の方法について規定し、守らない飼い主への制裁も定めています。例えば東京都の条例では、犬の飼い主は、犬を柵、檻などの中か又は人に危害を加える恐れのない場所で、鎖などを使い確実につないで飼育することを義務付けており、動物が人の生命、身体を侵害する恐れがあると認めるときは、当該動物の飼い主に対し、必要な措置を命令できるとされています。

 この命令に従わない飼い主は5万円以下の罰金に処せられます。また咬傷事件が起きると事件によっては過失傷害罪になることもあります。隣家に誠意がないときには、3歳の幼児が咬まれる恐れがあることを警察や役所に申し出て、飼い主への注意を促してもらうことが効果的だと思います。近所づきあいはぎくしゃくしても、子供の安全には代えられません。

※週刊ポスト2013年7月5日号

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