《日本人が月に降り立つ日は間近》月面探査最前線、JAXA「SLIM」とNASA「アルテミス計画」で日本の存在感が増大 インドとの共同計画や一般企業の取り組みも
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 7時15分
東京の中央区に本社・開発所を構える宇宙ベンチャー「ダイモン」は、開発した月面探査車「YAOKI」を年度内に打ち上げる予定だ。同社の中島紳一郎CEO兼CTOが話す。
「YAOKIを地球からリモート操縦して月の南極付近を走らせ、画像データの習得を行なう予定です。数年後には100機を月に送り、月面を走行するYAOKIとアバターを通じて意識をつなげることで、地球にいながら月面旅行を楽しめる時代を創りたいと考えています」
月面基地や“月の村”が誕生?
アメリカの民間企業に目を向けると、現在の月探査をリードするのが「インテュイティブ・マシーンズ」(Intuitive Machines)だ。同社はNASAから受託され、世界初の商用月着陸機の開発に成功。ispaceと民間初の月面着陸を争い、今年2月に快挙を成し遂げた。寺薗氏が言う。
「NASAが民間企業に資金を提供し、民間が創意工夫によって月着陸機を開発する。その仕組みの中で、インテュイティブ・マシーンズは技術力において突出した存在です。月の通信ネットワークなど新たな市場にも参入しており、活発な活動を続けている。注目していきたい企業です」
では、民間企業も積極的に取り組み始めた月面開発は、今後、どのような世界を見せてくれるのか。寺薗氏が続ける。
「これは楽観的な見通しが実現したケースですが、2040年には南極の基地のように数人が常駐する月面基地が誕生する可能性があります。さらに、2050年には数百人が生活するコミュニティが月に形成され、月面ホテルなどの観光資源として、そして、探査拠点としての“月の村”の出現も期待されています」
取材・文/稲泉連
※週刊ポスト2024年11月29日号
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