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【逆説の日本史】大失敗に終わったシベリア出兵が生んだ陸軍の知られざる「善事」

NEWSポストセブン / 2024年12月20日 11時15分

 しかしながら、それで「野獣と化した兵士」に、女性に対してだけは「紳士的であれ」という態度を取れと強制することが可能だろうか? 別に心理学の専門家で無くてもそんなことは無理、あるいはきわめて難しいということがわかるだろう。専門の訓練を受け軍規を尊重することを叩き込まれた職業軍人ならともかく、元は素人の召集兵には困難である。いや、職業軍人だってそれは難しい。戦場で明日死ぬかもしれないからだ。当然「人間としてのタガ」が外れるということは往々にしてある。

難しい「兵士のセックス管理」

 次の記事を見ていただきたい。

〈ライダイハン ベトナム戦争時の韓国軍の所業を英BBCが報道
 英国の公共放送である英国放送協会(BBC)が3月にベトナム戦争当時の韓国兵による女性への性的暴行を特集で伝えたことが、日韓外交の関係者らの間で反響を呼んでいる。韓国政府は国連の場でも、旧日本軍のいわゆる慰安婦問題を再三取り上げてきたが、ベトナムでの自国兵の行為について謝罪はしていない。BBCは、韓国の二重規範についても指摘している。 BBCは3月27日、ウェブサイトに、「1968-何百人もの女性を苦しめた年」と題した記事を掲載し、韓国軍兵士から被害を受けた2人のベトナム人の境遇を詳しく伝えた。そのうち1人は性的暴行を受け、3人の子供を身ごもった女性だった。


 ベトナム戦争時に韓国軍兵が現地の女性を性的に暴行するなどして生まれた混血児は、「ライダイハン」の蔑称で呼ばれ、ベトナムで差別を受けてきた。その数は定かでないが、5000~3万人に上るとの説がある。(以下略)〉
(『産経新聞電子版』2020年4月4日付 原川貴郎記者)

 ちょうどいまロシアのプーチン大統領が北朝鮮に援軍を依頼したように、ベトナム戦争のときにアメリカは韓国に精鋭部隊の派遣を依頼した。その結果がライダイハンである。彼らの父親は兵士だけで無く一緒に派遣された技術者もいたようだが、とにかく彼ら韓国人が子供を見捨てて帰国したのは事実だ。そうでなければこんな大問題にはならない。また、ベトナム戦争の主役であったアメリカ軍もこうした問題とは無縁では無い。しかし日本では、ライダイハンのことはこの産経新聞の記事もそうだが、韓国の主張する「従軍慰安婦」問題への「反撃」として紹介される場合が多い。この記事の結びも以下のようになっている。

〈〈BBCの記事は〉ストロー元英外相が「国際大使」として関わる民間団体「ライダイハンのための正義」が、国連人権理事会による調査や韓国側の謝罪を求めていることも伝えた。

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