HVの低燃費どこまで進むのか「2年以内に40kmの攻防」と識者

NEWSポストセブン / 2013年7月20日 7時0分

 本格的な夏休みシーズンを前に、レギュラーガソリンの全国平均小売価格はぐんぐんと上がり、1リットル当たり155円20銭(7月18日、経済産業省資源エネルギー庁発表)と約4か月ぶりの高値となった。

「お盆にドライブ旅行を計画しているのですが、ここまでガソリンが値上がりするなら電車で出掛けたほうがマシかも。今年中には燃費のいいハイブリッド車(HV)か軽自動車に乗り換えようかと悩んでいます」(40代会社員)

 長距離ドライブは家計の懐具合に直結するため、こんな悲鳴が出るのも当然だろう。そこで、各自動車メーカーは、他車よりも1リットル当たり0.1kmでも長く走れる“低燃費競争”に明け暮れ、ユーザーの購買意欲を掻き立てている。

 ただいま軽自動車では「アルト エコ」(スズキ)のリッター33kmを筆頭に、「ワゴンR」(スズキ)や「ミラ イース」(ダイハツ工業)が30kmを超えている。さらに、低燃費が売りのHVは、トヨタ自動車の「プリウス」が32.6km、「アクア」が35.4kmと他社を圧倒する燃費性能を誇ってきた。

 しかし、ここにきてさらなる“記録”が出た。ホンダが9月に発売する新型の「フィット ハイブリッド」が36.4kmと、国内のハイブリッドモデルとして最高燃費になると発表したからだ。

 なぜ、ここまでの低燃費を実現できたのか。新型フィットの試乗会にも参加したという自動車ジャーナリストの井元康一郎氏に解説してもらった。

「ホンダのハイブリッドシステムはトヨタの2モーター式と違って1モーターのため、発電させるエネルギー効率の点で劣っていたのですが、エンジン自体を新開発してその問題を解消させました。

 また、モーターを発電させたときの抵抗だけで止まれるようなブレーキ(減速エネルギー回生システム)を進化させました。つまり、動力エネルギーをほとんど発電に回し、止まるときに捨てるエネルギーのロスを極限まで減らしたのです。また、車体もより軽くて薄い丈夫な鋼板を使って軽量化に成功。それら総合力で『アクア』の燃費を上回ったのです」

 燃費を飛躍的に向上させたフィットの発売で、新たな“HV戦争”が勃発すると予測するのは、経済誌『月刊BOSS』の児玉智浩記者だ。

「現在は価格が安く走行性能を高めた軽自動車ばかりに注目が集まっていますが、ホンダが新型フィットを出したら、HV開発で先行してきたトヨタも黙っているはずがありません。なにせトヨタの2012年度の国内販売台数のうち、HVは4割超を占める主力カテゴリーですから。かつて『プリウスVSインサイト』の戦いがあったように、またトヨタとホンダのHV戦争が再燃する可能性は十分にあります」

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