マック跡地にモスが進出「値段より価値で勝負」と開発責任者

NEWSポストセブン / 2013年8月20日 7時0分

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1400店を超えてなお拡大中のモスバーガー(写真は三軒茶屋店)

 ステーキ、焼き肉といった高価格メニューの売れ行きや、客単価の高い寿司チェーンの好調などを受けて外食産業に活気が戻っている。「脱デフレ」の兆候を追い風に、徐々に消費者の財布のひもは緩んできた。

 一方で苦戦を強いられているのが、これまで低価格を売りにしてきたファストフード業界。中でも“デフレの王者”といわれたハンバーガーチェーンである。最大手のマクドナルドは単価の高い期間限定バーガーや黒トリュフを使った「1000円バーガー」などを発売して盛り返しを狙うが、2期連続の減収減益も避けられない情勢となっている。

 業界トップの失速を後目に、にわかに攻勢をかけているのが、モスバーガーを展開する業界2位のモスフードサービスである。もともと1972年の創業以来、具材の高品質を貫いて度重なる業界の価格競争にも乗ってこなかった同社。

「価値あるものは必ず認められると絶対の自信を持ってきた」と話すのは、取締役執行役員で商品本部長・商品開発部長を兼任する後藤幸一氏だ。値段に関係なく品質へのこだわりが再評価される時代。モスバーガーの変わらぬ戦略と今後の生き残り策を聞いた。

 * * *
――主力商品の『モスバーガー』や『テリヤキバーガー』は、景気に左右されず300円を超える値段で売ってきた。

「モスはこれまでも値段が高いというイメージがありましたが、それだけ自信を持った商売をしてきたからできたこと。フランチャイズ方式による店舗展開でも、野菜のカットや仕込みは店でやり、パティ(肉)は注文をもらってから焼くスタイルを貫いてきました」

――それだけコスト増も覚悟しなければならない。

「具材に使う野菜は、はじめからカットされた野菜を使うのが常識の中、モスは3000に及ぶ契約農家から仕入れた新鮮な国産野菜を店で調理しています。見えないところで時間とお金をかけているので、逆にそれだけお値打ちの商品ばかりなんです。品質の良さをまだ消費者に伝えきれていないことが反省材料です」

――業績や景気に合わせて商品原価を見直したり、作り方をオペレーション化して効率を追求したりすることもできたはず。

「いまのスタイルを崩して320円の商品を半額で売ってみるとかディスカウントするのは、チェーンそのものの気質としてあり得ないこと。他社がどれだけ安いセットで注目を浴びても、モスは値段より価値で勝負しないとブランド力を維持できません。

 だから、最近も主力のハンバーガー17商品を牛肉100%に変更するなど、むしろ既存商品のブラッシュアップを度々図っています。他社も商品群を絞って原点回帰の方向ですが、定番商品の味はいじっていませんよね」

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