慰安婦調査のソウル大教授「事実をねじ曲げる仕事じゃない」

NEWSポストセブン / 2013年9月10日 7時0分

 韓国だけでなく、世界中に慰安婦問題で日本を非難する声が拡散しつつある。だが今回、韓国・ソウル大学の名誉教授が発見し解読した日記によって、世にはばかる“通説”には捏造情報が多分に含まれていることがわかった。「たとえ親日家と罵られても、私は真実を語る」と、教授は語り始めた──。

「約20年前、私は『韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)』という団体と共同で慰安婦問題を調査していた。しかし、次第に『挺対協』の目的が慰安婦問題の本質に迫ることではなく、ただ日本を攻撃することだとわかり、調査団から離れた。

 その後は“お前はバカな親日家だ”などと罵られ、研究者としての仕事もしづらくなった。だが、研究者の仕事は事実を明らかにすることであり、事実をねじ曲げることではない。その信念は今も変わらない。

 だから、慰安婦問題の新事実を含んだこの日記と出会った時は心が躍った。そこにはこれまでの慰安婦問題の通説と異なる情報もあった。しかし、研究とは事実を明らかにすることであり、利害関係が入り込む余地はない。この日記は日韓どちらの損得とも関係のない客観的で重要な資料だ」

 そう話すのは、朝鮮経済近代史が専門の安秉直(アン・ビョンジク)・ソウル大学名誉教授(77)だ。

 安教授は8月、慰安婦の施設を運営していたある朝鮮人男性の日記を発見し、世間に発表した。もともと日記は個人博物館の運営者が所蔵していたものを国立韓国学中央研究院が見つけ、安教授が所属する研究所が解読と研究を請け負ったものだった。

 日記の筆者は1905年に朝鮮に生まれ、1979年に死亡。彼は1922年から1957年までの36年間の記録を綴っていた。第2次世界大戦に日本軍政下のビルマとシンガポールで慰安所の経営に携わることになる彼の日記は、1943、1944年の分が、慰安婦関連の貴重な資料となった。安教授が話す(以下、「」内はすべて安教授)。

「今までの慰安婦関係の資料は、朝鮮総督府、台湾総督府を含む日本政府が残した資料に限られていた。慰安婦という性格上、公文書に残しづらい点もあり、資料は極度に不足していた。そのため、韓国での慰安婦に関する研究は、新聞や雑誌などに記載された二次資料や関係者の証言などに依存するほかなかった。

 政府の資料は隠蔽された部分もあるだろうし、関係者の証言は補償などの利害関係に絡むから信用できない点もある。その点、この日記は慰安婦問題が世に出る1990年以前のもので改竄されようもない。非常に客観的な歴史的資料といえる」

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