減益のマック 外食産業激変とアベノミクス影響に対応できず

NEWSポストセブン / 2013年9月14日 7時0分

“原田神話”の終焉が近づいている。2004年から原田泳幸(えいこう)氏(64)が率いる日本マクドナルドの2013年1~6月期決算が8月9日に発表され、売上高が前年同期比11%減の1297億円、営業利益が同41%減の70億円と前期(2012年1~12月)に続き減収減益に陥っていることが明らかになった。

 これを機に、社長とCEOの座は、カナダ出身のサラ・カサノバ氏(48)に明け渡した。親会社の日本マクドナルドホールディングス会長兼社長兼CEOなどには引き続き留まる原田氏は、今回の人事を「マネジメントの強化」と言うが、業界では「原田氏は年内にもマックと縁を切るのでは」と囁かれている。“デフレの勝者”が“アベノミクスの負け組”に―一体、何が起こっているのか。

 原田氏と言えば、2004年に日本マクドナルド(以下マック)のトップに就いて以来、「メイド・フォー・ユー(作り置きをせず、注文を受けてからの調理)」、「100円メニュー」、「メガマック」などの高級商品、店舗の24時間営業など、次々に話題を呼ぶ奇策をしかけて成功させ、経営を立て直してきたことで知られる。なかでも、2008年に始めた「プレミアムコーヒー」を100円で提供するという戦略は、喫茶の需要を大きく取り込むことに成功した。

 そんな順風満帆の原田氏に迷いが見え始めたのは、既存店売上高がマイナスに転じた昨年後半。それは11月の記者会見のことだった。成長戦略を30分ほど語った後、突如、こんな言葉を続けたのである。

「社長就任9年目、これまで常に先を見通して改革を推進してきました。ところが、何と今年、その予見の精度が狂ってしまった」

 会見場はざわめきたった。

 もちろん原田氏は、そこで手をこまねいているわけではなかった。2013年1月には、注文した商品が1分以内に用意できなければ、顧客に無料券などを提供する「60秒チャレンジ」、新成人へのビッグマック無料提供を行ない、7月には1日限定の1000円ハンバーガーなど、原田氏肝いりの販売戦略を展開した。さらに候補者を激励する党首よろしく直筆で「掟破」と記した檄文を店舗などに配布したとも言われている。

 ところが結果は、二期連続の減収減益となる。

 なぜ千里眼は曇ったのか。それは外食産業の激変に付いていけなかったという側面が大きい、と外食ジャーナリストの中村芳平氏はいう。煎じ詰めていえば、マックのライバルは他のファストフード店だけではなくなったということだ。

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