滝クリのおもてなしスピーチ「左手のつぼみ」が効果大だった

NEWSポストセブン / 2013年9月15日 16時0分

「お・も・て・な・し」。滝川クリステルさんの五輪スピーチが話題だ。そこに込められた技術とはなにか。元仙台放送アナウンサーでプレゼン術などを大学などで教えているスピーチジャパン講師の早坂まき子さんが語る。

 * * *
 滝川クリステルさんのスピーチには3つの特徴があると思います。

1)ゆっくりのおもてなし、と普通の会話スピードのおもてなしと2回言ったこと。
2)1回目は手の動き(ジェスチャー)をつけたこと。
3)2回目は、手を合わせておがむような、お辞儀をしたこと。

 まず、「ゆっくり喋る」というスピーチ技術の「基本のき」を取り入れています。みなさんも、大切なことを伝えたいスピーチの相手が幼稚園児や耳の遠い高齢者などの場合、相手がしっかり理解できるように、ゆっくり噛み砕いた言葉で、丁寧に喋るはずです。今回のIOC委員は様々な国の方々であり、年代も異なるでしょう。すると、どんな人にでも伝わるように、ゆっくり喋るという技術を使うのは当然のこと。

 そこにあえて普通のスピードの「おもてなし」を繰り返し2回言うことで聞き手に、

「この『おもてなし』というは大切なキーワードなのだな」

 と、印象を残します。「おもてなし」を1回だけしか言わないスピーチと、2回言うスピーチ。心に残るのはどちらかは、歴然です。

 さらに、「おもてなし」に合わせて、左手でつぼみのように縮めた形を作っています。あの手の動きも「おもてなし」という単語と共に、皆さん印象に残っているはず。簡単な動きなので、私も何人も真似している友人、知人に出会いました。真似しやすいですよね。

 あの「お・も・て・な・し・」のときに手のジェスチャーがなかった場合を想像してみましょうか。滝川さんは、ずっとカメラ目線で、瞬きをせず、一点を見つめています。それは、カメラを通し会場の大きなスクリーンに映し出されるからなのでしょうが、一点を見つめたまま、手の動きがない「お・も・て・な・し」……動きがあったほうが、印象に残りませんか?

 しかも手が加わることにより、5音から成り立つ単語であることも伝えています。日本人なら聞き慣れている「おもてなし」は、日本語が分からない外国の方からすれば「え?何?何言っているの?」と分からないはず。でも、手が加わることによって「5音から成り立つ良い言葉らしい」ということが、瞬時に伝えられます。

 推測ですが、どなたかが、手を付けたほうが印象に残るだろうと、アドバイスされたのではないでしょうか。

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