元改革派官僚 安倍政権公務員改革法案への反対提言した理由

NEWSポストセブン / 2013年11月8日 16時0分

 安倍晋三首相は、さる11月5日、「国家公務員制度改革法案」を閣議決定し、国会に提出した。

 国益よりも省益、国民の幸福よりも自らの老後の安定のために働く「シロアリ役人」の増殖は、長年、この国の政治を蝕んできた病巣だ。7年前の第1次政権当時に公務員改革に取り組み、霞が関の激しい抵抗に敗れて政権を放り出す屈辱を味わった首相にとっては雪辱戦のはずである。

 ところが、今回の法案は改革とは程遠い、「シロアリ温存法案」と呼ぶべき内容にすりかわっていた。

「安倍総理よ、またしてもシロアリに屈するのか」──かつて現職官僚でありながら霞が関の構造改革に挑んだ「元脱藩官僚」たちは、そこに危機感を抱いている。安倍政権の「まやかしの公務員改革法案」に対して抜本的見直しを求める提言を発表した高橋洋一(元財務官僚)、古賀茂明(元経産官僚)、岸博幸(元経産官僚)の3氏が怒りの警鐘を鳴らし合う。

──改革支持派の皆さんが公務員改革法案に反対する提言を発表したのはなぜか。

高橋:公務員改革は廃案の歴史で、麻生政権時代の2009年、民主党政権時の2010年と2011年に提出された法案は、いずれもねじれ国会の中で成立しなかった。そして今回、衆参で過半数を持つ安倍政権でようやく実現するわけですが、蓋を開けてみたら、内容が大きく後退していた。

 象徴的なのが人事制度。役人の人事は、人事院(※注1)と総務省の行政管理局、人事・恩給局、財務省の主計局給与共済課という4部門が分担して内閣が自由に人事権を行使できない仕組みになっている。今回の法案は新たに「内閣人事局」を創設して、内閣直轄で人事を動かせるようにすると掲げていますが、人事院などの機能を残したままだ。

【※注1】国家公務員の給与や勤務条件、採用試験、懲戒などに関する事務を司る。

岸:人事局を作るなら、機能を集約して強力な権限を与えなければ意味がない。

高橋:4つを壊して1つにするはずが、4プラス1にしちゃった。典型的な役人の焼け太りです。

古賀:公務員改革というと、給料が高すぎるからけしからん、という話になりがちですが、抜本的な改革とは、「国民のために役人が働く仕組みを作る」ということ。その障害が、霞が関が人事を握って離さないシステムです。

 では役人が働いているかどうかを誰が判断するのかといえば、それはやはり国民の代表である政治家ということになります。具体的にいえば公務員の身分保障の壁。最近はツイッターおじさんやらブログおじさん(※注2)の問題が起きましたが、彼らはクビどころか降格処分にもならない。

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