ホンダ 伝説継承する「リトルカブ」は日本生産にこだわった

NEWSポストセブン / 2013年11月16日 16時0分

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リトルカブ・55周年スペシャル、ファイティングレッド

 ホンダがスーパーカブを発売して55年になる。それを記念して、同社がユニークな55周年モデルを発売して注目を集めている。スーパーカブを通した、日本の技術魂を取材した。(取材・文=フリーライター神田憲行)

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 発売されたのは「リトルカブ・55周年スペシャル」という。11月8日から来年1月26日までの期間限定受注モデルだ。一般的なスーパーカブより小さくして、車体に赤と黒を大胆に採用したデザインが印象的だ。

 カブというとどうしてもお蕎麦屋さんの出前か新聞配達という「業務用」のイメージがあるが、

「カブはビジネスバイクという印象を払拭したかった」

 と、本田技研工業広報部の高山正之さんは話す。

「カブを趣味的にも乗りたいというお客さんのニーズもあるんです。そこでこのモデルは研究所の若い女性デザイナーが担当して、丸みを帯びたカラフルな車体にししました」

 「若者の○○離れ」というのはオートバイも例外ではなく、日本自動車工業会の調査によると、オートバイ所有者の平均年齢は48.5歳だ。しかしリトルカブのユーザー層は20代から30代半ばが多いという。

 リトルカブには目に見えない「特徴」もある。それはこのカブが唯一の日本国内生産、メイド・イン・ジャパンのバイクであるということだ。

「2012年にスーパーカブの生産を中国の工場に移したことから、『ホンダのバイクは国内でもう生産されていない』という誤った認識が広がりました。リトルカブは熊本工場での生産ですから、この機会にその認識を改めて貰えれば」(高山さん)

 ホンダがスーパーカブを発売したのは1958年のこと。燃費が良くて耐久性が高く、乗りやすいことから世界各地でヒット商品になり、累計生産台数は8500万台にも及ぶ。とくに東南アジアでは市民の足として親しまれており、ベトナムでは「HONDA」といえばオートバイ一般を指す普通名詞にもなっている。

 本田宗一郎はこのバイクに当時の技術の粋を込めた。エンジンについては2ストロークが全盛の時代に、燃費が良いが構造が複雑な4ストロークを採用。乗り心地にこだわって当時は存在していなかった17インチ径のタイヤをメーカーに特注した。「泥よけ」と呼ばれるシールドも当時は技術的に困難と言われた樹脂加工に挑戦した。そうした技術にこだわった結果跳ね上がったコストは、藤澤武夫が量産体制を整え、販売網を組織化することで、抑えることに成功した。スーパーカブはホンダの伝説的創業者2人の見事なリレーが結実したバイクでもある。

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