神経の痛み「オノマトペ使って伝えると診断しやすい」と医師

NEWSポストセブン / 2013年11月22日 16時0分

 奇抜なファッションと親しみやすい楽曲で知られる歌手のレディー・ガガは、新作の発表にあわせて受けた最近のインタビューで、今年2月の骨盤手術後に襲った腰の痛みが耐えられないほどひどかったと打ち明けている。彼女のように痛みを感じて医師にかかっても「痛さの度合いは1から10のうち何番目ですか?」と問われ、どういってよいかわからず「ジンジン」「ピリピリ」「ヒリヒリ」とオノマトペで答えたことがある人も多いだろう。

 普段何気ない会話の中で使っているオノマトペ。これは、擬音語・擬態語と呼ばれ、約5000語あり、最近は医療の世界でも重要視されているという。

「痛みについて、より明確に伝えようと、オノマトペを使って説明する患者さんも増えています」とは、痛みの治療に詳しい日本大学医学部附属板橋病院麻酔科診療教授の加藤実さん。

 実際、慢性痛について通院経験があり、何らかの疾患があると診察された男女4505人に、自分の痛みをオノマトペで表現してもらった結果(「オノマトペラボ」調べ)、頭痛や関節症は「ズキンズキン」「ガンガン」、椎間板ヘルニアや腰痛は「ジンジン」など、症状によって様々な痛みの表現があり、医師に伝える際、患者は使い分けていることが分かった。

「痛みには種類があります。炎症・刺激が原因の痛みは『ズキズキ』と表現することが多いですね。これはケガや頭痛などで起こるもっとも一般的な痛みです。

 一方、坐骨神経痛など、神経に傷がついて起こる痛みは『ビリビリ』『ジンジン』することが多く、神経障害性の痛みとされます。神経に原因がある痛みは一般的な鎮痛薬でとれないことも。まずは痛みの種類を見極めることが大切です」(加藤さん)

 実際、慢性的な痛みに悩んでいる人は全国で2700万人いるといわれ、そのうちの4人に1人が、神経障害性の痛みの疑いがある。

「我慢を美徳とする日本では、痛みを我慢してしまう人が多いんです。痛みは我慢し続けると、治らないことへの不安からうつ症状を引き起こし、心因性の痛みを伴って悪化することも。とくに神経障害性の痛みは、ケガなどと違って目に見える症状がない上、検査をしても異常が出ない場合が多いので、自己申告が診断のカギとなります。

 火傷のあとのような『ヒリヒリ』する痛み、電気が走るような『ビリビリ』した痛みを感じたら、それは神経障害性の痛みの可能性があります」(加藤さん)

 神経障害性の痛みは、痛みの信号を伝える神経伝達物質が過剰に放出させて起こる。代表的なものには帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛(腰痛)、糖尿病性の神経障害や、事故やケガなどで神経が切断されたり、傷害された場合など様々。そういった痛みには、どのように対処すればよいのか。

「神経障害性の痛みには、湿布や痛み止めが効きません。湿布をしているけれどなかなか痛みが取れない、ハリやマッサージで一時的にしのいでいても、慢性的な痛みが続くというときは要注意。整形外科やペインクリニックなどを受診して適切な治療薬を処方してもらいましょう。

 神経障害性の痛みには、『プレガバリン(リリカ)』が保険適用されています。この『プレガバリン』は、痛みを伝える神経伝達物質が過剰に放出されないように抑える働きがあります。痛みが続くときは、どこかに原因が潜んでいるサイン。医師にきちんと症状を伝え、適切な薬を選ぶことが大切です」(加藤さん)

 痛みは我慢せず、オノマトペを上手に使って医師に伝えよう。

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