猪瀬都知事の5000万円提供事件 徳洲会側にとっては渡りに船

NEWSポストセブン / 2013年12月2日 7時0分

 医療法人の徳洲会は公職選挙法違反で創設者の徳田虎雄前理事長の娘2人を含む6人がすでに逮捕されており、徳洲会自身が剣が峰を迎えている。

「徳洲会が最も恐れているのは、前理事長の妻の秀子氏と鈴木隆夫理事長の逮捕。いま、捜査でガタガタになった徳洲会内部を統制できるのはこの2人だけしかいない。もし2人がいなくなれば、徳洲会は管轄官庁の厚労省の“管理下”に置かれる。厚労省の息がかかった人物が第三者委員会の設置や、外部理事の招聘を通じて乗り込んできて、日本最大の医療法人グループが役所の意のままに動かされることになる」(徳洲会関係者)

 したがって、徳洲会の目下の最大の関心事は、どうにかして捜査の手から秀子氏と鈴木理事長を守ることにある。

 そんな絶妙のタイミングで発覚した猪瀬直樹東京都知事からの5000万円の返金は、徳洲会からすると、まさに渡りに船。そもそもの発端は、東京地検特捜部が秀子氏の自宅を家宅捜索した際、紙袋入りの5000万円の現金を発見し、押収したことだった。この特捜部による札束の発見は、本当に偶然だったのだろうか。捜査関係者がいう。

「9月下旬に猪瀬氏側から秀子氏に返金された銀行の帯封付きの現金は、1度、虎雄氏が入院する湘南鎌倉総合病院に運ばれ、虎雄氏に返金の報告がされていたようだ。

 だが、なぜか検察によるガサ入れが十分に予想されていた秀子氏の自宅にわざわざ持って返ってきた。徳洲会であれば、いくらでもカネを隠す場所などあるにもかかわらずだ。しかも、付いていた帯封は解かれ、ゴムで止められていた。使用されたカネのように見せたかったのか……」

 その意図は不明だが、結果的に、その現金が、特捜部や世間の目を徳洲会からそらせることになったのは事実である。メディア関係者も今回の騒動でホクホク顔をし始めた。テレビ局の社会部記者がいう。

「徳洲会の事件は、最近のニュース番組の中では珍しく視聴率がとれるコンテンツ。全国に展開する病院のグループだけあって、視聴者が身近に感じているのでしょう。例えば、NHKの『クローズアップ現代』で特集をした時は、平均視聴率が15%近くに達したらしい。しかも、そこに都知事の疑惑も重なったので、さらに関心は高まった」

※週刊ポスト2013年12月13日号

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