松木安太郎のサッカー解説 分かりやすく専門性高いその実例

NEWSポストセブン / 2013年12月4日 7時0分

 サッカー日本代表が、11月の欧州遠征で強豪オランダ・ベルギーとの2連戦を戦い、1勝1分けの好成績を収めた。来年のW杯に弾みをつけた格好だが、この2試合の中継(テレビ朝日系)で解説を務めた松木安太郎氏も、注目を集めた。

 松木氏の解説は「絶叫解説」といわれ一部では絶大な人気を誇るが、その反面、たしかなサッカー眼にも定評がある。ベルギー戦でもFWロメル・ルカクに対し、松木氏は前半18分、30分、後半15分、19分と4度にわたり、「20番(ルカク)はスペースがなければ大丈夫」と指摘。実際、日本代表はルカクにスペースを与えず、シュート0本に抑え、仕事をさせなかった。前半20分には、松木氏はこう話していた。

「本田選手が狙われているなら、サイドに出て行くといいですよね。ポジション替えて流動的に」

 事実、その後本田は松木氏が指摘した通り、サイドに流れるプレーに切り替え、ペースをつかみ、後半に逆転ゴールを決める活躍を見せた。

 このように松木氏のサッカーを観る眼は鋭い。ただ、この日FW岡崎が日本の3点目を決めたときに発した「今日カツ丼喰ったからね、俺たち」という、およそサッカーとは関係のない“カツ丼を喰ったから、カツ”というゲン担ぎ発言などが目立つため、一見すると“ただ騒いでいるだけ”のように思えるのだ。

 また、松木氏は、テレビの特性を充分に理解した解説をしているという。テレビ局関係者はこう説明する。

「テレビは尺の問題もありますし、いかに短い言葉で、万人にわかりやすく伝えるかが勝負。コメンテーターには、そういう能力が求められます。これは、サッカー解説者とて同じ。松木さんは“わかりやすくまとめる力”を持っているのです」

 ベルギー戦は、そうした松木氏の解説の魅力が存分に発揮された真骨頂であった。まずは、前半32分、FW柿谷がオフサイドを取られたシーン。FW出身である中山雅史氏の解説を、こうまとめた。

中山氏:「もう一つ膨めれば、オフサイドじゃないんですよね。FWだと前へ前へという意識が強くなってしまうんで、どうしても一歩、相手より先に出たくなっちゃうんですけど」
実況:「後ろに戻れないまでも」
中山氏:「横に1歩戻れれば」
松木氏:「“急がば回れ”だね」
中山氏:「……ええ。そうですね」

 たしかに解説者が専門用語を使えば、「よく知っている」「詳しい」などと評価される傾向があるが、難しいことを分かりやすく説明できるのが、真の専門家だ。

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