『日曜美術館』の井浦新 「ドキュメンタリー撮ってる感覚」

NEWSポストセブン / 2013年12月8日 7時0分

 1976年に放送開始し、38年目を迎える『日曜美術館』(NHK-Eテレ)。このご長寿番組のキャスターを4月から務めているのが俳優の井浦新(いうらあらた・39才)だ。彼が登場してから「朝から癒される」「美術に興味なかったけれど、毎週見るようになった」という女性たちが続出中。多くの女性たちを虜にする彼の魅力に迫る。

 番組の収録を終え、台本を片手に現れた彼に、「すっかり日曜美術館の顔になりましたね」と、声をかけると少しはにかみ、「なってきましたか? それはうれしいです」。そう言って井浦は静かに微笑み、かみしめるように語り出した。

「最初、この仕事の依頼を受けたときは、正直、驚きました。だって日曜美術館はずっと見てきた番組ですし、38年の歴史がありますから。これまで通り、一視聴者として番組を見ているほうが、純粋に美術を楽しめるんじゃないかと思って。迷いました。

 でもぼくにとって、文化、芸術、伝統、歴史を知るのはライフワークのひとつ。時間が許す限り、展覧会に足を運びますし、司会をやることで感性も養っていけますから、こんな光栄なことはないと思って引き受けました」(井浦・以下「」内同)

 1974年生まれの39才。身長は183cmと長身で、19才からモデルとして数々のファッション誌の表紙を飾り、1998年に是枝裕和監督の映画『ワンダフルライフ』で主演として俳優デビュー。以後、役者として順調にキャリアを重ねている。

 そんな彼は幼い頃から芸術に親しんで育ったという。

「小学校の教員だった父が伝統や工芸の文化が好きだったので、家の中に獅子頭や土偶のレプリカがあって。しかも、中途半端な大きさではなくて、ほぼ等身大のレプリカがあるという家庭環境だったんです。だから、自然と影響を受けて、日本文化とか芸術に惹かれたのかもしれません」

 そんな環境も手伝って、日曜美術館も自然と見てきた。

「ぼくの中では日曜美術館と大河ドラマは同じ立ち位置なんです。どちらも大きな看板を背負う、歴史と伝統を重ねている番組です。日曜美術館の視聴者のかたは、美術、芸術に精通しているかたも多く、その中で自分がどう伝えていけるのか、番組を始めた頃はプレッシャーもありました。

 しかし、回を重ねるうちに番組を見ている人たちは司会者がどうとかではなく、番組自体を愛していると思ったんです。そこで自分の役割は、これまで美術を知らなかった人に、新しい伝え方をすることなんじゃないかと思って」

 日曜美術館は、生放送と同じようなスタイルで収録される。番組内で流れるVTRをスタジオで見て、それについて作品や作家の魅力をゲスト解説者とともに、ひもといていく。台本はあるものの、番組内で語る言葉はすべて井浦本人が考えている。

「テーマが決まると、その作家や作品をぼくがどのように見ているか、スタッフと話し合って、それをもとに進行表や台本が作られるんです。でも、実際はライブです。ゲストと展覧会に足を運ぶロケのときは、フリートークになることもあります。個性的なゲストだったら、その人に関する質問ばかりしてしまうこともある(笑い)。

 台本通りに進んでいかない緊張感はあるけれど、自由度も高い。どうなるかわからないから日曜美術館は、まるでドキュメンタリー映画を撮っているような感覚なんです」

※女性セブン2013年12月19日号

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