無形文化遺産登録決定するも日本人は「和食」離れで肥満増加

NEWSポストセブン / 2013年12月18日 16時0分

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「食育健康サミット2013」では、専門医から多くの提言が行なわれた

 12月4日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は「和食」の無形文化遺産への登録を決定した。低カロリーで栄養バランスがよい和食は、“ヘルシーフード”として世界的に知られている一方、日本の男性の3割、女性の2割は肥満(BMI25以上 厚生労働省・平成23年国民健康・栄養調査より)というのが現状だ。

 高度成長期の1960年代に比べ、日本人の総エネルギー摂取量は減っている。それにもかかわらず肥満が増えていることについて、専門家は「日本人の食生活が変化し、和食離れが進んでいることに原因があるのでは」と指摘する。

 12月5日に日本医師会館では、「肥満、生活習慣病の予防・改善と食事処方 ―日本型食生活の意義―」をテーマに、「食育健康サミット2013」が開催された。米穀安定供給確保支援機構の木村良理事長は、「国民1人あたりの米の消費量は、昭和30年代は約120kgだったのに対し、最近では56kg代と半分以下にまで減少しています。そしてそれに反比例するように生活習慣病が増えています」と指摘。

 それに続く当日のセッションでは、脂質異常症や糖尿病などを専門とする医師4名が、肥満や糖尿病を予防する食事処方などを取り上げ、その中でごはんを主食とした日本型食生活の意義について、内臓脂肪是正への運動といった、講演やパネルディスカッションを行なった。

 その1人、東京慈恵会医科大学内科学講座の宇都宮一典主任教授は、「日本人を含めたアジア人は、残念ながら肥満になりやすい」と、話した。体内の脂肪の面積を見ると、アジア人はそれほど多くはない。しかし比率を見ると、アジア人は小柄な分、他の人種に比べて内臓脂肪の割合が多い。

「内臓脂肪型の肥満になると、膵臓からインスリンがうまく分泌されなくなり、さらにインスリンがうまく働けなくなる。その結果、血糖値が上がり、糖尿病を発症します。糖尿病の最大の問題は、合併症が非常に多いこと。腎症や糖尿病網膜炎、心筋梗塞などが起こり、最悪の場合、命を落としてしまうのです」(宇都宮教授)

 また結核予防会新山手病院・生活習慣病センターの宮崎滋センター長は、「肥満は冠動脈疾患、がん、月経異常など、さまざまな病気を同時多発的に引き起こす可能性があります。しかし、肥満を解消すれば、これらの病気の可能性を一網打尽にできるのです。まず、体重の3%を減らすことを目標に、食事療法(ダイエット)や運動に取り組みましょう。体重とともに、内臓脂肪を減らすとさらに効果があります」と話し、次のような食事のポイントを紹介した。

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