広岡達朗氏「私がGMを続けていたらロッテ王国できただろう」

NEWSポストセブン / 2013年12月25日 7時0分

 プロ野球の黎明期、数々の伝説を作り上げた名選手たちが、もしも現代のグラウンドに降り立てばどんな成績を収めるか。今の球界への叱咤激励を込めた、“レジェンド”による大胆な“自己査定”。今回は広岡達朗氏(81)である。広岡氏は1954年巨人入団。引退後は監督としてヤクルト、西武で日本一を達成。1995年、日本球界初のGMに就任した。

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 日本球界でのGMは阪神、横浜に加え、落合博満が就任した中日の3球団になりました。落合はこれからなので何ともいえませんが、少なくとも阪神の中村勝広と横浜の高田繁、両GMは何も仕事をしていません。
 
 今の日本のGMは、名前こそメジャーと同じですが、中身はまったく違います。なんであれをGMと呼ぶのかが私はわからない。
 
 メジャーではオーナーが現場をGMに託し、GMが予算の範囲内で戦力を編成、「何位になれるか」を考え、それに相応しい監督を連れてくる。だからGMは、二軍も含めて目を配れるような、現場に明るい人でなければならないし、成績が低迷すればその責任はGMにもあるわけです。

 落合が中日の二遊間を新しくするとかの構想が立って、2位を目指せると判断した場合、監督の谷繁元信に2位を約束させる。その上で実際に達成すれば、さらに上を目指す補強をやり、なれなければ谷繁をクビにし、自らも責任を取る。これがGMの仕事なんです。
 
 それをハッキリさせないままメジャーの猿真似だけするから、いきなりオーナーに「最下位から優勝を狙え」などとムチャクチャなことをいわれる。その結果、球団が選手を育てることを放棄して、FAで補強ばかりしようとするのです。
 
 メジャーにはぜいたく税があって弱いチームを助けていますし、ドラフトにも完全ウェーバー制があり、球界全体を盛り上げようとしています。それを“交通整理”するのが各球団のGMの役割。ところが日本では「なんで弱いチームを助けなきゃならん」というバカなオーナーが出張ってきて、GMの権限もない。これじゃダメです。
 
 私がGMをやったロッテがいい例ですよ。3年間でチームを変えてみせますといってスタート、上手く回っていたのに、2年でクビにされた。そして人気があるというのでバレンタイン監督を連れてきた。土台ができたところでポンと来たから、1回は勝てたが後は続かない。そのまま私がGMを続けていたら、とっくにロッテ王国ができていただろうし、日本の球界も変わったと思うんですがね。

※週刊ポスト2014年1月1・10日号

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