薬剤抵抗性うつ病に注目の新薬登場 約30%の患者が寛解した

NEWSポストセブン / 2014年1月8日 16時0分

 年々増加傾向にあるうつ病に対する治療は、抗うつ薬などの薬物治療が行なわれる。2種類か3種類の薬を服用しても改善しない症例に対する新たな治療法として、反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)が注目されている。頭に刺激装置を置き、頭蓋内に磁場を誘導させて神経を刺激するもので、欧米ではすでに実用化されている。日本でも承認に向けガイドライン作成などが始まっている。

 厚生労働省による医療機関に受診中の出口調査によると、精神疾患の患者数は約320万人で、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に新たに精神疾患を加えて「5大疾病」とすることが決まった。精神疾患のうち、3分の1の約100万人がうつ病と推計され、年々増加の傾向にある。

 うつ病は主に薬物治療が行なわれるが、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)など、2~3種類の抗うつ薬でも改善しない薬剤抵抗性うつ病に対する治療として、注目されているのがrTMSだ。

 これは頭の外側に置いた刺激装置に電荷を蓄え、瞬間的にコイルに電流を流すことで磁場が発生し、神経を刺激していく治療だ。すでに欧米では薬剤抵抗性うつ病に対する治療として実用化されている。

 杏林大学医学部付属病院精神神経科の鬼頭伸輔医師の話。

「当大学では臨床研究の一環として、複数の抗うつ薬で改善しなかった130例の患者にrTMSを実施したところ、約30%の患者が寛解しました。アメリカの大規模な研究でも、1種類の抗うつ薬を服用しても効果がなかった患者にrTMSを実施した結果、約25%に効果があったという報告があります」

 日本で治療対象の薬剤抵抗性うつ病患者は、約50万人と推測されている。双極性障害(躁うつ病)に対する治療効果は現在、検証中である。

 副作用は、頭痛や刺激部位の痛みなどが主なものだが、0.1%未満とごくわずかであるが痙攣が起こることもある。家族に、てんかん患者がいたり、以前痙攣したことがある人は治療に対して注意が必要だ。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2014年1月17 日号

NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング