国家戦略特区法案の成立で「異次元の成長実現も期待」と識者

NEWSポストセブン / 2014年1月30日 16時0分

 日本経済復活のためには新しいビジネスを邪魔し、既得権勢力を利する「規制」の改革が必要不可欠だ。しかし政権発足から1年が経っても安倍政権の成長戦略・規制改革の中身は見えてこない。

 どう改革を進めるべきか、本誌で「おバカ規制」を追及してきた政策コンサルタント・原英史氏が解説する。

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 アベノミクスの第1の矢(金融緩和)と第2の矢(財政出動)は昨年早々に放たれたが、問題は第3の矢(成長戦略)だ。日本経済を中長期的に成長軌道に乗せられるかのカギはこの第3の矢が握る。

 昨年初頭から政府の産業競争力会議(総理大臣以下関係大臣と10人の民間議員で構成)で成長戦略の検討がなされてきた。争点は方法論として以下のいずれに重きを置くかだった。

1:政府が「これからの成長分野」を定め支援する=「補助金政策」
2:「これからの成長分野」がどこかは民間に任せる。政府は民間が自由に活動できる環境整備の役割を果たす=「規制改革」

 この2つは必ずしも二者択一ではない。ただし、歴代政権の成長戦略が前者の発想に寄り過ぎていて、規制改革が重視されなかったことには疑いがない。

 わかりやすいのは過去の成長戦略で「これからの成長分野」として必ず医療・健康、環境・エネルギー、農業といった分野が挙げられてきたことだ。裏を返せばいつまで経っても成長できていないということである。

 しかし、私はまだ安倍内閣が歴代政権のできなかった異次元の成長戦略を実現する可能性があるとの期待を捨てていない。秋の国会では「国家戦略特区法案」が成立した。これが機能すれば規制改革の切り札になり得る。

 国家戦略特区とは、地域を絞って規制改革を実験的に進めようというプランだ。筆者は制度設計を担う政府のワーキンググループに参加した。

 腐心したことは鉄のトライアングル<規制によって守られる既得権業界、票や資金の供給など業界と密接な関係を持つ族議員、官僚機構>をいかに打ち破るかだ。

 これまでにも特区制度はあったが、役所の事務的な調整が介在してしまっていた。そこで新たに設けた仕組みが特区ごとの「統合推進本部」だ。

 特区担当大臣、首長、民間関係者が一堂に会し、現場の規制改革ニーズを直接吸い上げる。そして特区担当大臣が持ち帰って、「特区諮問会議」で検討する。ここでは特区担当大臣と規制担当大臣(厚生労働大臣、農林水産大臣など)が民間有識者を交えて議論し、最終的にどう進めるかを総理大臣が決断する。

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