早生まれは不利か 釜本邦茂氏「体格差出易いサッカーは顕著」

NEWSポストセブン / 2014年1月23日 16時0分

 1月から4月1日までに生まれた、いわゆる「早生まれ」の子供たちは、学校などでともに過ごす同学年の他の子供たちよりも発育が遅れるため、特に運動面で不利だといわれてきた。

 日本サッカー協会が5年間、Jリーグ各クラブのジュニアユース(中学生)の体格を調べたところ、中学1年生の平均身長は、4~6月生まれの161.0cmに比べ、早生まれは154.4cmだった。運動能力でも、30mダッシュのタイムでは、4~6月は4.75秒、早生まれは4.88秒と、早生まれの子供のほうが下回る結果が出たという。

 そうなると、こんな現象が起きる。全国で、小中学生のためのサッカー教室を行なっている元日本サッカー協会副会長・釜本邦茂氏はこう指摘する。

「運動量が激しく、体格差が出やすいサッカーのようなスポーツでは、誕生日次第でフィジカルの差が大きく出てしまう。特に小中学生の場合、指導者が目先の勝利を求めると、どうしても体が大きい子供を優先してしまい、発育の遅い早生まれの子供に出場機会が与えられない場合が多い。

 すると、どんなにいいものや可能性を持っている子でも、“早生まれ”によるビハインドがあることが原因で、試合に出してもらえないということが往々にして出てくる。結果、競技がつまらなくなって、徐々に離れてしまう」

 J1の18クラブのうち、外国人枠選手を除いた選手の誕生月を集計してみたところ、釜本氏の言葉を裏付けるような結果が出た(資料=『週刊サッカーダイジェスト選手名鑑』日本スポーツ企画出版社刊)。

●4~6月(161人)
●7~9月(130人)
●10~12月(103人)
●1~3月(61人)

 1~3月生まれの選手は、4~6月の半数以下しかいない。月別では2月生まれの選手が最も少なく、次点は3月生まれだった。

 プロに入るような段階で、誕生月別に歴然とした発育の差があるとは考えにくい。プロ入り前のチームで、試合に出してもらっているか否かが大きな分かれ目となっている可能性が高い。

 同じような状況は野球にも見られる。日本プロ野球12球団のうち、外国人を除いた選手、監督、コーチの誕生月を集計すると、以下のような分布となった(資料=『全選手名鑑&パーフェクトデータブック』ベース・ボールマガジン社刊)。

●4~6月(330人)
●7~9月(305人)
●10~12月(248人)
●1~3月(176人)

 こちらもサッカーとほぼ同じ状況。月別ではこちらも2月生まれが最少で、次が3月だった。

 プロ野球を各種データから分析した、『プロ野球なんでもランキング』(イースト・プレス刊)の著者・広尾晃氏はこう語る。

「WBCを戦った侍ジャパンの28人の誕生日を集計したところ、4~7月に集中していた。1~3月の早生まれは、3月の阿部慎之助だけ。早生まれ率は3.6%です。プロ野球全体で見ても、選手の早生まれ率は13.4%となっている。

 興味深いのは、高校野球になるとさらにこの傾向が強くなること。甲子園出場チームの中には、早生まれ率が10%を切っているところもあります」

※週刊ポスト2014年1月31日号

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