ニューヨークタイムズ買収宣言の中国人富豪 売名行為で有名

NEWSポストセブン / 2014年1月25日 7時0分

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」の買収を宣言した中国人大富豪、陳光標氏が、自身でてがける慈善事業での派手なパフォーマンスや、その名刺に10個もの自画自賛のタイトルを書き込んでいることが話題になっている。

 陳氏は、「中国で最も強い影響力を持つ人物」「中国で最も有名な慈善家」「中国の道徳のリーダー」「中国の地震救援活動の英雄」など普通の神経の持ち主ならば自ら公言するのも恥ずかしくなるほどの美辞麗句を名刺に書き連ねている。この英語の名刺をもらった米国人記者があまりの珍妙さにニュースにしてしまったほど。

 陳氏は1968年7月、江蘇省生まれの45歳。2001年に南京大学のビジネススクール卒業後、同省でリサイクル企業「江蘇黄埔再生資源利用公司」を立ち上げ、会長に就任。同社の営業収益について、陳氏は「2004年は59億元(約1000億円)足らず」、「2006、2007年にはそれぞれ90億元(約1500億円)あまり」とメディアの取材に答えている。

 ちなみに同省では民営企業ランキング100傑が発表されており、2006年の100位企業の年間営業収益は19億7000万元(約335億円)、2007年のそれは31億7300万元(約222億円)。同社の営業収益は、そのいずれも上回っているので、企業番付100傑に入っているはずだが、ランキングには同社の名前はなく、陳氏の自己申告額はかなり怪しい。

 とはいえ、自らが「中国最大の慈善事業家」と豪語するように、陳氏が1998年から2010年まで13年間の慈善事業への寄付総額は14億元(約240億円)に上っており、これは中国人としては最も多い額であるのは間違いない。

 問題はそのやり方で、今回のニューヨーク・タイムズ買収騒動でも、同社の市場価格が20億ドル(約2080億円)なのに、陳氏が提示した額はその半分の10億ドル(約1040億円)と、事前に同紙のことを何も調べておらず、売名のパフォーマンスであることはばればれだった。

 陳氏は意気揚々とニューヨークに乗り込んだものの、結局、同紙の幹部に相手にされず門前払いを食った模様だ。

 陳氏は同紙の買収を断念する代わりに、ワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルなど米国で影響力のある新聞を買収すると表明したが、その際の記者会見で、天安門広場で焼身自殺をしようとして顔などにひどいやけどを負った母娘を壇上に上がらせ、「2人をアメリカで治療させ、その治療費は私が全額負担する」とぶち上げた。

 しかし、顔に酷いやけどをおっている母娘を人目にさらして、チャリティの見世物にしたとして、母娘が入会している宗教団体「法倫功」メンバーが騒ぎ立てたほか、米メディアも批判的に扱うなど、陳氏の人格そのものが疑われかねない騒動に発展した。

 陳氏は2011年3月の東日本大震災でも、巨大な中国国旗「五星紅旗」を付けた車で被災地に乗り込み、被災者を救助しているようなパフォーマンスを撮影したり、避難所でポテトチップを配り地元民の顰蹙を買うなど、これまでもチャリティに名を借りた、常軌を逸した行動は数知れない。

NEWSポストセブン

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