五輪選手に「税金無駄遣い」批判する人こそ無駄な人間と識者

NEWSポストセブン / 2014年2月15日 16時0分

 ソチ五輪で一喜一憂している人も多いはず。しかし人の本性は失敗したときに現れる。メダルを逸した選手への大人な残念がり方を、大人力コラムニストの石原壮一郎氏が伝授する。

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 ソチでは連日、熱戦が繰り広げられています。どの国の選手もがんばってほしいとは思いつつ、やはり日本選手の活躍を期待せずにはいられません。前評判どおりに実力を発揮して、あるいは予想をいい方に裏切って、見事にメダルを獲得してくれた場合は、「よくやった!」「たいしたもんだ!」と素直に賞賛すればいいだけなので話は簡単です。

 しかし、ソチの水は甘いぞ、というケースばかりではありません。メダルを期待されていたのに、時の運に恵まれずに結果を残せない選手もいます。本人の無念さは、テレビの前でのほほんと見ているだけの私たちの想像をはるかに超えているでしょう。

 言うまでもありませんが、にわかファンの立場で勝手に期待して、十分にワクワクさせてもらっておきながら、期待外れの結果が出た途端に「だらしないなあ」と非難したり「裏切られたよ」と責めたりするのは、大人としてどうこうという以前に人間として論外。わかりもしないくせに敗因を分析したり、試合後にインタビューを受けたときの表情やコメントにケチをつけたりするのも、同じぐらいトホホでダメダメな行為です。

 もっとみっともないのが「税金を使って行っているくせに」という言い方で、さも自分は正当な批判をしているんだという顔をすること。「税金を使って~」というセリフを口にするのは、自分は貧しいプライドしか持ち合わせてなくて、人の弱み(に見える部分)に喜んでつけ込む人間で、しかもちょっと考えが足りませんと宣言しているも同然です。

 たしかに選手には税金が使われているかもしれませんが、偉そうに批判しているヤツが世話になっている道路などの生活インフラや教育や福祉のために使われている税金に比べたら微々たるもの。よっぽどの高額納税者以外は、実際に払った税金ではとてもまかなえない恩恵を受けています。選手を派遣するのにかかった税金と、そういう他人の足を引っ張って喜んでいるヤツのために使われている税金と、さて、どっちが無駄でしょうか。

 やや話がそれましたが、日本中が残念がるような結果が出た翌日、もし会社でこういう態度を取ったら、自分は気が利いていることを言ったつもりでも、部下や後輩には「ああ、ここまでチンケな人間だったのか」「この人はイザというときに自分を守ってくれないな」「今よくわかった。こいつは絶対に出世しない」と思われて、たちまち見切りをつけられるでしょう。家族の前で言った場合も、もともと少ない父親の威厳は完全に消滅します。

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